技術職って、なんだか小難しそうな雰囲気ありまよね。
実際に"そういう人"がいるのはとりあえず置いていて(笑)、別に「理系一辺倒でバリバリの専門知識持ち」じゃなくても技術職には全く問題なく就職できるということをお伝えするのがこの記事です。

「会社の実務で使える専門技術なんて入社前に誰も持っていないし、役に立つような勉強なんかほぼ不可能(基礎は除く)」
というのはこのブログでも再三言っています。
が、それらに加えて今回説明する「技術職で求められる基本的な考え方やものごとの捉え方」さえ理解できてしまえば、理系出身じゃない、もちろん未経験でも、全く問題なく技術職には就職可能ですよということを伝えたいんです。
「大学の研究内容だけで入社してきて、実際に仕事をやらせてみたらなんにもできなかった」っていうケースはごまんとあるんですわ。
僕はこのなんともしがたい状況をとても悲しく感じていて、むしろ日常で出会う色んな人に対して「絶対この人技術職向いてるな」と思うことが多々あるのも相まって余計悶々としています…。
というわけで!技術職が気になっているあなたには!!その夢を諦めて欲しくない!!!
…ので、ぜひ読んでくださいね(小声)
大切なのは2つ。「論理に順番があること」と「客観性」
さっそく本題。
まず大事なことは2つ。いいですか?2つです。
- 論理の順番を意識する
- 客観性、もしくは客観的視点
早くも理屈臭いですが(笑)、これは言葉を要約するためだと思って勘弁してください…。
それぞれの説明いきます。
論理の順番を意識する
物事には然るべき順番があります。
PCのライン出力に繋いだスピーカーから音が出ない
という事象を例にして一緒に考えていきましょう。
図に表すとこう。
みなさんなら、この症状を見たときに解決法として最初は何から試しますか?
答えは何パターンもあると思いますが、一般的には
- まずPCから単品で音を出してみる
- 別のスピーカーを繋いでみる
- スピーカーを別の再生デバイスに繋いでみる
などが考えられますよね。
じゃあその結果「別のスピーカーを繋いだときだけ音が出なかった」としたら?
- PC(アプリケーション)からは音声の出力自体はできている
- このスピーカー自体は悪くない
つまり…

…ライン出力端子が逝ってる??
みたいな流れになるわけです。実際にLINE OUTだけ逝くことなんてあるかは置いといてもらって、この一連のプロセス、そこに注目してほしいのです。
今までやってきたこの作業、「原因の切り分け」とも言いますよね。
特定の要素が他の要素とどう絡むのか、もしくは絡まないのかを整理していく作業です。これは順番が適切じゃないと正しい答えに辿り着けません。
例えば、「悪いのはそのスピーカーだった」という場合なのに、一番最初の時点で「ライン出力端子がぶっ壊れてるかも」と当たりをつけて作業してたら意味不明ですよね。他のスピーカー繋いでも鳴るわPCからも音は出るわで、むしろ正しい原因究明が行えなくなることさえあるわけです。
この考え方が技術職ではとても大切で、ひとつひとつの理論は正しくても、それを適切な順番で積み上げていかないと良い方向に進めないということへと繋がってくるんです。ここめちゃ大事。
今の例だと「なんだそんなことかよ」って感じでしょうが、実は日々の仕事って本当にこれの積み重ねだなと感じます。
いわゆる「基本的な考え方」ってやつなので、
- ちょっとした計画を立てるとき
- 日々の簡単な計算、基礎理論の理解
- 問題が発生したときの対処方法
などはもちろん、
- 直面した課題の解決をどう進めていくか
- 人に仕事を振るとき
- 上司への報・連・相
などなど、至るところでこの頭の使い方を利用するシーンがあります。
「それぞれの要素を独立して考えることができて、それらの関連性を冷静に理解できる」 |
というのはとても稀有なスキルです。完璧にできる人って実はなかなかいないと思います。突き詰めるとどこかに感情論が混じっていたり、要素の関連が曖昧になっていたり、前提が公平な考え方になっていなかったり…。
そしてこの話は次にも繋がってきます。
客観性、もしくは客観的視点
2つめは「客観的であること」です。
「理系」っていうと普通はこっちが先に紹介されていそうな気がしますが、今回はあえて2つめにしてみました。
それは論理の組み立てがあってこその客観的視点だからだと思っているから。
「客観的」って難しいです。言葉はふわふわしているし、人によって受け取り方も違うでしょう。でもここはシンプルに「誰から見ても変わらない事実、人によって変わらぬ ものさし」と考えてもらうといいと思います。
- 「それは赤いです」
- 「そっちよりは大きいです」
- 「母数の8割がYesと答えています」
みたいなのはたしかに客観的な視点を保ててはいますが、これだけあってもなんにも役に立たないんですわ。そう、さっきから言っている「要素」というのがここに該当します。
つまり、まずは正しい順番で物事を考えたあと、その客観性を担保するのが大切ということ。
と思ったあなた、鋭い。
「まず必要な要素があったあとで、それを並べるのでは?」と思ったんですよね。
もちろんそれも正しいと思います。
でも僕は、やっぱり物事は関連で理解するほうが先だと思ってるんです。
というのも客観的視点ってある程度は誰でも持てるんですよね。子供ならまだしも、まともな大人なら自分の意見と第三者目線というのは切り分けて考えることができます。でもそこに固執しすぎてしまう人っていうのはやっぱりいるんです。
彼らは「カタブツ」などと呼ばれてしまうことも多く、固定された立場からしか発信できない状態になってしまっています。「◯◯は△△だから、ここにはそれしかない」となってしまう。その隣の要素を見たらまた違った考え方もあるかもしれないのに…。
「1つ単体の客観性を意識した結果、全体の客観的視点を失ってしまっている」というなんとも皮肉な状態です。
僕はそうならないべきだと思います。
優秀な技術者・エンジニアって知識や理論に優れていることを指すんじゃないんです。当然ですよね。
それらをどう使うかの応用力の方が遥かに大切なわけです。そしてそれをどう伝えるか、というコミュニケーションスキルも同じくらい大事。
そこを考えると、物事を点でしか捉えられないのはやっぱり壊滅的です。だってその先への発展がないから。
なので
「物事を正しい流れ・順番で捉えて、そこに客観的視点を取り入れる」
僕はこれがとても大事だと思っているという話でした。
想定していたよりだいぶ難しい系の話になってしまったので、
と絶対思われているだろうと予想しつつ、ここはこれで良しとします。
ちなみに僕が全然そういうタイプじゃないっていうのはこのブログを徘徊していただければ十二分に分かると思います。とりあえずこういうページからぜひどうぞ。
さらに僕はもう1つプラスしたい!「階層構造」の大切さ
最も大事だったのは最初に紹介した2つ
- 論理の順番
- 客観性
だと思うんだけど、実は僕はここにもうひとつプラスしたいと思ってます。
それは考え方に「階層構造」を取り入れること。
「物事には順番がある」っていうのとちょっと似てますが、それと同時に「物事には包含関係もある」ということなんです。
例えば ねこ。ねこを見てみます。

うちのにゃんこ。
彼らの生物学的な分類は
食肉目(ネコ目)→ネコ亜目→ネコ科→ネコ属→ネコ亜属
のヨーロッパヤマネコの亜種である「イエネコ」とされています。知ってました?笑

Wikipediaより。
これは「分類」の話なのでめちゃめちゃ分かりやすい例ですが、そうでなくても必ず上下の概念があります。あるものは何かに含まれているし、何かを含んでもいる。
例えば、なんとネコ目の下にはイヌ亜目がいるんです。びっくりしませんか?
これは理解しようとする側面によってだいぶ意味を変えますよね。
なので、物事の関連を捉える上でこの上下関係を正しく理解できるかはとても鍵になるんです。ひとつずつ冷静にベン図(※)で考えていけば必ず正しい理解に繋がっていくからです。
※ベン図:これのこと。
数学で「集合」ってやつ。
それと、やや脱線しますがこの考え方は現代主流のプログラミングにおいて最も大切な基本構造なんです。この考え方が身につけられていると、プログラミングの習得はかなり容易になるはずです。おすすめ!
もっとしゃべりたいことはありますが今回はこの辺で。
というわけで、まずはここまでで一旦まとめておきたいと思います。
この記事で伝えたかった「技術職にあると良い物の考え方・捉え方」は
- 論理には順番があって、その関連で捉えていくと良い
- そのひとつひとつの要素には客観性が保たれているのが前提である
- それらの要素には階層構造(包含関係)もあることを意識できるとベスト
ということでした。
フランクにさくっと書きたいと思っていたんだけど、やっぱり小難しい感じになっちゃいました…。その代わり余計な話は抜きでダイレクトに書けたとも思っているのでまあ良しとしましょう。
今回知ってほしかった内容自体はここまでなので、お忙しい方はここで閉じていただいて構いません。
以降は、もっと具体的にこの技術職という仕事を意識している方のためにちょっとしたポイントなどを書いています。興味ある方はぜひどうぞ。
適切な考え方を持っているとあなたの技術スキルが伸びる理由
上記で説明したいくつかの考え方を持っている人といない人とでは、技術者としての成長の差は歴然たるものになっていきます。
この記事では「技術職に必要なスキルは2つに分けられる」という話をしているんですが、このうち「基礎的スキル」にあたる方では特に顕著です。
日々利用する「基礎的技術スキル」は普段の積み重ねです。仕事を始めた最初の数年間でいかに素直に色んなことを吸収できるかは特に重要となると思います。
若い人はよく「乾いたスポンジ」に例えられますが、僕はこの乾いた状態を保ち続けるために今回紹介したような考え方が大切だと思っています。

この挿し絵に意味があるのかは僕も疑問です。
「素直に」っていうのはかなりキーワードで、このスポンジ時代に
- どれだけ変なプライドなく多くのことを
- 感情論なく
- 客観的視点を持って
学んでいけるかというのは、その後の技術者人生を大きく左右すると冗談抜きで思ってます。
誇大表現でもなんでもなく僕自身がここ最近心から思っていることの1つです。
大切なこととしての具体例を挙げると
- 示された資料ではとにかく数字に注目しろ
- グラフは穴があくほど見つめろ
- 常に根拠を求めろ
とか色々あるとは思ってるんですが、それを言うと身も蓋もない感じになってしまうので今のは聞き流してもらって、
とにかく柔軟な思考で多くのことを広く捉えていくことは自分の成長にとってめちゃめちゃ大事
というのだけ分かってもらえたらとても嬉しいなと思います!
「ひょっとして俺でも技術職…いける?」となったあなたへ
今回の記事はフワッとしているくせにやけに理屈臭くもあってだいぶ読みにくかったと思うんですが、ちゃんと読んでいただいた方の中には
と思ってくれている人もいるかと!
その自信、ぜひなくさないで行動を続けるべきだと強く思います!!
例えばそういう方は、
- 大学時代は理系の勉強をしてたけど今はそれを全く活かせていない仕事をしている
- なんとなく理系の仕事をしているけど専門の勉強をしたことなくて不安に思っている人
などのケースではないでしょうか?(もちろん全然理系が関係なくても問題なし!)
そういった方は本当に技術職をおすすめしますよ。
自分の普段の考え方に合っている仕事をすると、頭の使い方が仕事に馴染むのでとても気持ちが良いんです。もっと率直に言えば、とても楽しいと思いますよ。
と思っていただけた方は、ぜひ技術職の良いところまとめの記事をおすすめ!
きっとあなたらなら、この仕事がふさわしいはずです。人生を変えるチャンスを今見つけたかもしれませんよ。
ではでは、また別の記事で!