よく
- 技術職
- 技術者
- エンジニア
と一口で色々言われることが多いですが、彼らにはどういう分類があるのかまで知っているでしょうか?
「なんとなく理系っぽいヘンクツなことをやっている人たち」
という印象は強いと思いますが、この中でも結構勢力は分かれています(?)。
今回は、「電気製品系のメーカーをベースにした技術職の専門分野/専攻」について紹介してみます!
大手の就職情報サイトでもこんな基本的なことさえ書いていないのが実情です。書いてあっても超ふわっとしていて結局何も分からない。
なので、大手電機メーカーで技術をやっている僕が実際の仕事のイメージがまざまざと分かるように色々紹介してみます。そのため、あえてですが一般論はなるべく少なくして自分の体験や感想を大切にお伝えするよう意識しています。
技術職に興味が湧いているあなたに、もっとワクワクしてもらえるような記事を目指しますので最後までよろしくです!
長いので下記の目次(クリックして飛べます)などもうまく活用し、適宜気になるところを読んでみてください。
はじめに:「技術職」という言葉
僕のこのブログにある「技術職」というカテゴリの記事全てに言えることですが、一言で言った場合の「技術職」という意味全てを含んだ内容について書いているわけではありません。
加工食品メーカーでの新製品開発も技術職と呼んで差し支えないでしょうし、化学製品やらなんやら、その他いくらでも似たようなものはあります。
※「専門職」という意味に近い「技能職」は僕は完全に別ジャンルだと思ってます
僕が発信している情報は「電気製品などの開発/設計に係る技術職について」です。
ゴムメーカーでもなければ家具メーカーでもありません。ITエンジニアは入ってもいいラインかな?
ただしこれらを全て除外してしまう必要はなくて、例えば輪ゴムメーカーでも3Dモデルの設計みたいなことはやるでしょうし、「電気」という重要な項目がない代わりに「材料」や「化学」といった要素が大切になります。「物理」もあるかもしれませんね。
このように「メーカーと言えども作るものによって専門分野は全く違う」ので、このブログでは僕が勤務している「電気製品全般について」をメインで発信していますよ、ということでした。
このジャンルを言い表す良い言葉がないことにずっと難儀しているのですが、おそらくみなさんのイメージの一番多いところを指しているのではないでしょうか。
例の「なんとなく理系っぽいヘンクツなことをやっている人たち」ってやつです。
で、
「今回の話は範囲を絞っているとはいえ、かなり世間で一般的な内容です」 |
ということを先にお伝えしておきたかったのです。
「電気製品全般」という視点で考えた場合、多くのものがこの範囲に収まると思います。
身の回りを見渡してみてください。想像以上に、
- 電気が通っているもの
- 電気製品に関係があるもの
が多くないですか?
これら全てが、ほぼ同じような技術者の構成で作られているんです。
今回の話のイメージが少しは湧いたでしょうか…。
ではいきます!
分野分けは3つ!電気・機構・ソフトという括りが一般的
理系技術者は主に3つに分けられます。
- 電気
- 機構
- ソフト
です。
詳しい役目や立ち位置はこのあとそれぞれ紹介するとして、大まかなイメージはこの図の通りです。
三権分立じゃないですが、この間に力関係の差はなく皆が対等です。製品の種類によってはそうじゃないこともしばしばありますが…。今はそれは気にしないということで。
例えば、僕は一応所属は電気なんですがソフトも分かるということで、下図のように「制御」というチームにいることが多いです。ややマイナーですが、電気グループの中に制御チームというのがいるのは結構あることみたいです(他社でも何回か見かけた)。
やや脱線しますが、電気とソフトが分かる人材というのは枯渇しまくっていて、これらを併せ持っている人は転職活動でも無双できます。詳しい話は後日別記事をアップしますのでお楽しみに。
これらの分類は極めて一般的で、
- 他社さんとの打ち合わせ
- 展示会やセミナーなどで外部の人と会うとき
などで
とか
みたいな会話が日常会話としてそこかしこで行われます。
今出たように「◯◯屋」と屋号みたいのをつけて呼ぶ習慣もめちゃめちゃ根強いです。「敬称」にも近いかも。
さらには電気と機構をまとめて「ハード」、ソフトは単体で「ソフト」と2分類にして話をすることもよくありますね。
この場合も
- ハード屋
- ソフト屋
という呼び方がよくなされます。
三者の存在が理解できたところで、次からはそれぞれを見ていきましょう!
①:「電気」→回路設計や基板設計など
まずはじめは「電気」から。
これはイメージが簡単ですね。やっていることは電気に関わること全てです。
…と言いたいところですが、もっと泥臭い仕事が多いです。
「泥臭い」という表現は比較的よく使われる言葉です。あまり良いイメージがしないと思いますが、正直僕はここが一番好きで電気をやっているくらいです。
それら含めて、まずは主な仕事をリストアップしてみましょう。
- 回路設計
- 基板設計
- 品質改良や不具合解析のための実験とか試作とか諸々
- システム設計
ちょっとそれぞれ説明してみます。
読み飛ばしたい方は次の「機構」へジャンプしてどうぞ。
回路設計
一番イメージ通りじゃないでしょうか。
これをやっている時間が一番長いわけではないですが、電気屋たるもの回路の設計が一番重要な役割であることは間違いないです。
「回路設計」ってよく聞く言葉ではあるものの、なにをしているかはわりと意味不明だと思います。なので超々々簡単に説明してみます。
と言われたら、おそらく誰でも思い付ける選択肢があるはず。

「豆電球を用意して、そこに乾電池をつけよう。スイッチもあったら便利かな?」
と。
それを図に起こすとこうなります。

※本当は実際のCADを使って描きたかったのですが、さすがに電池と豆電球の回路を会社で描いていたらその理由の説明には苦戦するので断念しました…。
これが回路図、そして回路設計です。
…回路図を描く作業はたしかに行ったと思いますが、回路設計?え??いつやった???
・・・。
つまり欲しい機能、仕様を満たすような電気回路を考えることが「回路設計」というわけなんです。
「電気を流すと明るくなる製品」
を実現するために、「電池と豆電球とスイッチが必要で、それをどう繋げばいいか」を考えましたよね。このプロセスを担当するのが回路設計です。揚げ足を取るようですが、図面を書くこと自体は別で、それはそんなに難しいことではありません。
実際にはこれを気の遠くなるような部品量でやる感じです。
そのためには電気の色んな公式を使って計算して部品の特性を考えてノイズ対策もして…って。え?楽しそう?
冗談ではなくもちろん楽しいです。笑
回路設計はいわばパズルのようなもので、「これとこれを上手く組み合わせるにはどうすればいいかな?」の連続です。それを繰り返しながら全体でも最適化する。どうですか?楽しそうに見えません?笑
回路設計は僕自身もまだまだ全然スキルが足りていない部分なので、個人的にも注力していきたい部分です。
基板設計
「基板」とは↑のようなやつのことですね。「基盤」ではないので字をお間違えのないよう。
これ、電気設計に携わったことがある人でもなければ意味不明な物体だと思うんですが、実はさっき描いた回路図をそのままお絵描きしているだけです。
「電気的にどう接続するか」はもう回路設計のときに考え終わっているので、あとはそれを実際の基板上に落とし込むだけ。部品同士の繋がりを維持したまま、なるべく無駄がないように線を引いていきます。
「線を引く」とは「パターンを引く」とも言い、
このうにょうにょしてる"線"がそれに値します。つまり部品と部品の回路的な接続部分ですね。
例えば回路図上での
こういう線が全部、
この「パターン」になっているということです。
これは「基板CAD」「二次元CAD」などと呼ばれる設計ソフトの画面例です。
※CAD:キャド。モデル設計ツールのこと。
詳しい説明はしませんが、「なんとなくそれっぽくてかっこいい」匂いを感じたらあなたは絶対技術職に向いています(雑)
こっちこそただのパズルかと思えば実はものすごく奥が深くて、色んなノウハウやテクニックがあるんですよ。個人で黙々と作業できるっていうのもあって僕もすごく好きな仕事です。
品質改良や不具合解析のための実験とか試作とか諸々
先ほど「泥臭い」と言いましたが、そういうのが最も集まっているとしたらここです。そうじゃなくてもっとワクワクするのもあるんですが!
「CADを使って格好良く新規設計!」みたいにキラキラした仕事ばかりじゃないのが実情で、
- お客さんに出した試作品がエラーを吐いたから直して欲しい
- この機能じゃ物足りないからもっとグレードアップして欲しい
- 電気担当じゃない同僚が「なんか壊れたんだけど見て欲しい」とか。は?
みたいのはやっぱり多いです。
でも僕はこういう仕事が技術職の一番の醍醐味だと思ってます。
細かい実験を繰り返してデータを取る、そのデータをどう使って、どう製品に反映させて設計するか、その成果はどうやって確かめるか…。
ものづくりはこのような試行錯誤の連続です。緻密な作業なくして良いものは生まれません。
それと、「電子工作」みたいなイメージをお持ちの方がいたらそれもこの辺りに該当する仕事です。

電子工作といったらArduino!
例えば
- 考えた回路を実際に小規模で組んでみる
- 不具合箇所を特定するために基板の部品を付け替えてみる
みたいな感じ。
それこそ理科の実験でやったようなああいう作業を常日頃行っています。めちゃめちゃ楽しそうに見えませんか!??!?(突然の謎テンション)
実際僕らは「実験室」と呼ばれる場所で普段から仕事をしていて、身の回りはだいたいこんな感じです。

※イメージ図です。実際はこんな整頓されてない笑
ほらほら、どんどん技術職が楽しそうに見えてきた!
システム設計
1つの製品を「電気・機構・ソフト」などに分かれ、力を合わせて作り上げていくのが開発部隊ですが、そうは言っても全体を見る人というのはやっぱり必要です。それら上位の設計を「システム設計」と呼ぶことがあります。
この「システム設計」という言葉はそこまで一般的じゃないかも。会社によっては全く意味が違う言葉として捉えられてしまうこともあるので、あまり気にしなくていいです。特にSEの現場では誤解を招かないよう注意したいところ。
で、なぜかそのシステム設計は電気の人が中心になって進めることが多いです。
この理由の説明はかなり技術的な内容になってしまうので省きますが、1つ言うなら「電気設計が重要な役割を担う製品が世には多いから」というのが挙げられます。
つまり、PCやスマートフォン、ゲーム機などソフトウェアが商品の主役になるものはソフト屋さんが主体的に進めることが多いかもしれないし、エルゴノミクスマウスや意匠に価値があるスピーカーなどなら機構設計の人たちがリーダーシップを取るかもしれません、ということです。
実際には「電気を分かっている人が全体を見ると色々都合がいい」からなのですが、まあそういう役回りもできますよ、というくらいに留めておきます。
これは決してマネジメント職ではないので、普通に楽しいです。
だって「全体がどういう仕組みで、誰に何を開発してほしいか考えて指示できる」なんて、超満足感高くないですか??僕は好き。
以上で「電気」の説明が終了です。次が2つめ!
②:「機構」→筐体設計や各種物理的な装置など
2つめは「機構」です。
たまに「メカ屋さん」と呼ばれることも。
あまり普段から聞く言葉ではないですが、要はユーザーが触ることになる物理的な部分すべてのことです。本体の筐体しかり、スイッチやボタンしかり、印字のデザインしかり、強度や耐熱性なども…。
一番取っつきやすいかと思えば意外にも何をやっているのか最も分かりづらいところでは?と思いますので、先ほどと同じくなるべく具体例を使って説明しようと思います。
主に紹介するのは以下。
- 筐体設計
- 材料選定
- 放熱設計
読み飛ばしたい方は次の「ソフト」へジャンプしてどうぞ。
筐体設計
機構屋さんの仕事はほぼここ!
以下紹介するものも「筐体設計」に含んでいると言ってしまってもいい気さえします。
筐体設計とはその名の通り本体のデザイン、サイズ、形状などを設計することで、「3D CAD」を使って業務を進めるのが基本です。
回路図や家の間取図のように二次元平面ではなくて、このように色んな角度から見られるCADですね。マウスをグリグリするとぐるんぐるん回転します。「3Dモデリング」のような言葉も随分一般的になったのでイメージはつきやすいはず。
この3Dモデリングのあとに、よく見る「図面」というやつも描いて一通り完成となります。

図面の例。3D CADから出力できる場合がほとんどです。
大きな検討項目の例としては
- 板金のどこをどう折り曲げて1つの筐体にするか?
- ネジはどこに設置すれば強度が確保できるか?
- 押しやすいスイッチはどういう機構にするか?
などがあると思います。
お客さん(エンドユーザー)が直接触る部分を設計するのはほぼこの機構屋さんだけなので、ファーストインプレッションのユーザビリティは彼らの成果によって決まります。
しかしそのためには電気屋さんが作った基板が大きすぎてはうまくいかないかもしれないし、成形や加工が難しい設計をしてしまうとコストがかかりすぎてしまうかもしれないし…。
色んな制約の中でベストな結果を出す必要がありますね。
材料選定
製品をどういう素材でどう加工して作っていくか?を考えるのも彼らが行うことが多いです。
筐体設計はあくまでも形状や見た目の設計とするなら、こちらはその中身や質に関わる部分と言えるかもしれません。
- ここの板金はアルミにしよう
- 電池カバーは安い樹脂でいいな
- この接合部分はユーザーに見えるところだから、無臭無色で強い接着剤を使おう
とか。
※僕は機構が一番詳しくないので、細かいとこはだいぶ自信ないです。例によって雰囲気を楽しんでください
素材を選ぶ条件はもちろん見た目だけではなくて、
- 強度
- 温度対策(低温~高温)
- 重量
- コスト
など様々な要因によって決まります。あとは「量産するときの組み立てやすさ」なども重要でしょう。
このように、やることがまとまっていないゆえ機構屋さんってどういう勉強をしてきた人がなりやすいのかみなさんには謎だと思いますが、
- 物理
- 流体力学(熱流体力学も含む)
- 機械加工
などが主流なのに加えて、この材料選定の観点から
- 化学
- 材料工学、機械材工学
などが専門の人も多いです。
まあ見た目とか物理的なものに関わるのはみんな「機構」グループに入れちゃえ、みたいなとこはありますね。笑
放熱設計
電気製品にとっていかに放熱をするかというのはまさに命です。
PCでゲームをやったりサーバーの知識があったりする方は分かると思いますが、排熱には命かけてますよね。世界中のサーバールームもその維持費の多くは空調設備(冷房)に使われています。
電気部品(特に半導体)は熱に弱いので、発熱が意図しない動作を招き誤動作、最悪発火・発煙なんてことになりかねません。
それを防ぐために筐体レベルで対策をします。
- ファン
- ヒートシンク
- 閉じない筐体設計、熱容量が低い材質の選定
などなど。
ファンは分かりますよね。

デスクトップPCの内部。

手前に見えるのはメモリなのでたぶんこれはマザーボード。
電気製品と言えばこれって感じ。一般的なノートPCにももちろん付いてます。
ヒートシンクとは、

右は「剣山タイプ」なんていう風にも呼ばれます。

実はこの青いのもヒートシンク。
こんなの。見たことありますか?
マザーボードとか車のラジエーターなんかによく使われてます。
あとは先ほども言ったように筐体設計時や材料の工夫でもできることを探します。
ご推察の通り、実際は機構屋さんだけでどうにかなる問題ではありません。ファンを使うならそれを動かすモーター、電気回路が必要です。制御するマイコンソフトも必要になるでしょう。
製品全体での取り組みが重要な項目ということですね。言うなれば前述した「システム設計」に近いかもしれません。
しかしこれを頑張りすぎると製品がどんどんでかく/重くなって値段も上がっちゃう…。
難しい。日々せめぎ合いですわ。
僕らユーザーは買った商品の熱がどうたらなんて全く意識していませんが、開発側は実はすごく苦労しているんですね。こういうの、とっても興味深くありませんか?
以上が「機構」の説明でした!ちょっと詳しくない感じがバレててごめんなさい。勉強します。
次で最後です。
③:「ソフト」→商品のメインになる機能設計や、電気製品の組み込みソフトウェア開発など
最後は「ソフト」です。
ものづくりの世界では「SE」とか「プログラマ」とかはあんまり言わない気がしますね。なんでだろ。
超分かりやすいんじゃないでしょうか、やっているのはプログラムのソースコードを書くこと。たぶん全ての作業はそこに行き着くと思います。
とは言えソフトウェアの開発はいくつかに種類分けが可能なので、今回はそのうち2つをご紹介してみます。
- アプリケーション開発
- 組込みソフトウェア開発
例によって読み飛ばしたい方は最後のまとめへジャンプしてどうぞ。
組込みソフトウェア開発
ものづくりなど「目の前に実際に存在する製品」でのソフトウェア開発の場合、ソフト屋さんの仕事のほとんどはこの「組込みソフトウェア開発」になります。
明確な定義は難しいですが、よく言われるのは「特定用途向け」の電気製品のためのソフトウェアというもの。PCやスマートフォンはなんでもできちゃうけど、電子レンジは加熱しかできないよね。っていう、それくらいの感覚でいいと思います。
例えば、
- テレビ:
もちろんソフトが入っています。リモコンから受けた信号で画面を切り替えるとか、本体の設定をできるようにするとか、これらは全てソフトウェアで動作しています。 - エアコン:
画面表示がないこういう電気製品も、もちろんソフトがあります。「自動モード」のとき周りの気温によって制御を変えるとか、汚れてきたら内部クリーンをするとか、色々ありますよね。 - ゲームのコントローラー:
いよいよ本体設定や画面表示すらないですが、「ボタンが押されたら(ハードウェア)ゲーム機本体に特定の信号を送る(ソフトウェア)」という大きな仕事があります。これらの実現はソフトなくしてできません(マウスとかならPC側に用意されたドライバがあるのでソフトがなくても簡単な汎用ICだけでいける気もします。たぶんゲームのコントローラーは独自インターフェースゆえソフトが必要と思います)。
これらのプログラムは「マイコン」などに書き込まれることによって効果を発揮します。

マイコンの例。「集積回路」ってやつですね。「IC」の仲間です。
例えば「ユーザーがAボタンを押したら端っこに繋いだLEDを光らせてね」という命令を書き込んでおけば、マイコンを伝ってその命令が実行されるわけです。
「いつものスマホアプリにハードウェアを足した版」と捉えてもらうと分かりやすいと思います。
詳しくは下記の記事もどうぞ。
このように電気チームとの密な整合性が求められるので、実際は電気屋とソフト屋はかなり一緒に仕事をすることが多いです。上でちらっと言った「電気とソフトどっちも分かっている人は最強」というのはここにも起因していますね。
大切なのはプログラミングの知識だけではありません。
マイコンなどの電子部品が媒体になるため、当然これらハードウェアの知識も必要です。
「仕様書の見方」から「ピンの使い方」のような基本的なことはもちろん、コンピュータの深いシステムまでを理解していないと通信のやり取りなども全く書くことができません。
これらは「下回り」と呼ばれることが多く、OSやデバイスドライバなどについて専門的な知識が求められます。組込みソフトウェアのチーム内でも「下回り専門」という人は必ずいるイメージですね。
アプリケーション開発
みなさんが一番はじめにイメージするのはおそらくこっちではないですか?
パソコンで動くある1つのソフトウェアや、スマホ上で動くある1つのアプリ。それらを作るのが「アプリケーション開発」です。
決まったOSの上で単体で完結して動くものを作ればいいだけなので、比較的難易度は低めです。そのため若い年齢の人が集まりやすい仕事でもあります。
実際僕の会社のソフトウェア開発の部署を見渡してみても、上記の「組込みソフトウェア開発」は40代くらいのベテランがメイン層なものの、アプリ開発などがメインのチームはかなり若手が多いです。リーダーも30歳くらいとかだったり。
いわゆる「ITエンジニア」と呼ばれる、ものづくりではないIT企業などで平均年齢が低いのはこのおかげだと思っています。経験が浅くても知識と独学で最強になれるのがメリット!
僕はもともと情報工学が専攻だし今でもプログラミングの勉強はしているのでこちらの感覚はよく分かります。本を買ってきて書いてある通りにコーディングしていけば動くものは簡単に作れます。なのでエンジニア初心者さんは皆ここから入ります。
しかもそれに反比例して世界からの需要は右肩上がりです。
今やなんでもアプリの時代、それを作れるスキルを持っていたら引っ張りだこなのは言うまでもないですね。
「まだちゃんとしたスキルがないから不安」という方は、最近流行りのプログラミングスクールもおすすめです。
単なるアプリ作成の技術だけを学ぶに留まらず、もっと実用的なサーバー構築のカリキュラムがあったり、なんと就職支援をしてくれるものも今では珍しくありません。
無料体験レッスンもほぼ必ずあるので、エンジニア職が気になる方はぜひ覗いてみてください。転職成功者がバンバン出てますよ。
おすすめしているのは侍エンジニア塾。
詳しくはこちらの記事にもまとめているのでぜひどうぞ。
ちなみにアプリ開発スキル習得ではなく、大手メーカーなどへのエンジニアとしての転職が第一目的ならTECH::CAMP【エキスパートコース】が圧倒的におすすめです。
無料体験すら面倒くさいというあなたには、とりあえず概要が分かる25分のビデオをネットで見るだけ!ってこともTECH::CAMPなら可能です。
>>10秒で登録完了!TECH::CAMPオンライン説明会
以上で「ソフト」の説明も終了し、3つの分野の説明も全て終了です。
自分に合った専攻を選ぶのはもちろん大切だけど、大切なのは「基本的な物の考え方」!
長くなりましたが、「技術職の主な分野分け3つ」を具体的に紹介してきました。
その中で「どんな専攻の人は◯◯が向いている」というようなことも言ったりしましたが、大事なのは理論に基づく考察ができる物の考え方です。
例えば新卒入社した若手を見てもらえれば分かるんですが、入社したての人に専門スキルなんかなにもないわけなんです。学生時代の研究?そんなもん役に立つのは1%以下ってとこだと思います。ホントに。
でもその職場で毎日の研鑽を積んでいけるのは「理系の基本的な考え方を分かっているから」です。これさえあれば、どんな未経験者だろうと必ず技術職としてやっていけると僕は確信しています。
この言い方だと「やっぱりいかにも理系っぽいヘンクツなやつしかいなそう」になっちゃいますが、実はそこはそうでもないのです…。
この話はまた長くなるので別の記事ですることにしますが、いずれにしても「土台の考え方や物の捉え方は本当に大事」ということだけはぜひ覚えて欲しいです。
今回は技術職の分野を紹介する記事でしたが、
- 実際の仕事のイメージ
- 求められるものの雰囲気
などもお伝えできたかと思います。
ぜひご自分の今の状況を冷静に考察して、興味がありそうなものを見つけてくれるととても嬉しいです!
ではまた。