3周くらい回って色々ひっくるめると電子決済時のセリフは「Suicaで」になる

3周くらい回って色々ひっくるめると電子決済時のセリフは「Suicaで」になる
みるみ

あなたは cashless-payment-iD-logo というロゴの付いたクレジットカードを手にし、生まれて初めて「クレカの支払いなのにタッチ決済をする」という感動を味わおうとしている。

shopping_reji

「お支払いは現金ですか?」

(きた…!)
「あ、ァイディで」

「はい、楽天Edyですね」

シャリーン…

 

 

電子マネーで溢れかえる混沌としたこの世界と、今すぐ決別しよう。

1.会計時の理想のスタイルを考える

問題は会計のときに起こったのではありません。使用すべき電子マネーを決める最初の時点で既に負けていたのです。

  • 利便性と汎用性に富み、
  • カオスなサービス形態に惑わされることもなく、
  • 最も生活の中にスマートに取り込める運用形態でいながら、
  • 実際の支払いももちろん颯爽とこなせる。

そう、そんな電子マネーを選択しているべきだったのです。
ええ、Suica(PASMO)のことですね。

ではなぜあなたがSuica(PASMO)を選ぶべきなのか、次の章で見ていきましょう。

2.使う電子マネーを決める

この記事の趣旨は「電子マネーどれがいいか比較」ではない(というかいつものごとく僕の主観を押し付けるだけの記事な)のでじっくりはやりませんけど、Suica(PASMO)に至るまでの経緯は順番に追っていくことにします。

なお、競合は

  • 楽天Edy
  • iD
  • QUICPay
  • nanaco
  • WAON

あたりを筆頭に考慮しつつ、

  • PayPay
  • d払い
  • 各種デビッドカード
  • LINE Pay・メルペイなど誰が使っているのかよく分からない謎サービス

なども考えてみます。後半3つあたりは厳密には電子マネーの種別ではないけれど、「現金以外での支払い方法」という意味でこの際まとめて検討することにしてみよう。

条件から絞っていく

ここはあんまり時間をかけても仕方がないのでサクサクいきます。
なお、もう一度言っておきますが僕の個人的な考え方が土台になっている点だけはご了承をば。

利便性と汎用性

とりあえず将来的な視点を含めて全ての支払いを一本化できないと意味がないです。

現代で現金が必要なシーンはすなわち小銭が必要なときとほぼ等しい(お札が登場するようなシーンではだいたい現金以外で支払える)ので、100歩譲っても常用使いのメインカードの他にカード類や専用アプリが増えるような展開は避けたいです。

この話をするとどうしても「クレジットカード選び」が話題に出てきてしまうので脱線しがちなのだけれども、ここは「その人にとっての比類なき最強カードが既に決まっている」と仮定させてください。

ちなみに僕はそこそこのクレジットカードオタクで、これまでに作ったカードは15枚くらい、現在利用中のものは5枚くらいという状況。

my-credit-cards

写真貼る意味がもはやゼロですが、念には念を入れてぼかさせてくださいw

今は「オリコカード・ザ・ポイント」を使っていて、色々うまいことやるとだいたいの買い物に対して4.75%の還元が行われる状態になります。

つまり僕の中でのこの記事の最大の論点は「Suica(PASMO) vs 最強カード(QUICPay/iDつき)」になってくる感じです。今のところSuica(PASMO)は劣勢だね。

 

また、単純に

  • 対応店舗・サービス・業種の多さ
  • 地域によって利便性が著しく変わらないか

などの観点は重要視されます。

一昔前まではむしろこの点だけにおいて交通系ICは強かったですが、現在は「交通系ICに対応していればその他のキャッシュレス決済も概ね対応している」という状況になってきたので、以前よりは重要度が下がってきています。

shop-cashless-payment-displays

こういう表示、今ではもうワンセットだよね。

「汎用性」には「どれだけ多くのプラットフォームやインターフェースで利用できるか」という意味も含むのだけど、これは後述します。大事なのはSuica(PASMO)は特定のクレジットカードなど(つまり他の民間企業)に依存していないという点です。

これは

  • 余計なカード類やアプリなどが増えない
  • 将来的に起こり得るあらゆる変化に対して強い
  • 面倒な手続きやしがらみに束縛されにくくなる

など多大なメリットを意味しているんですよね。

「自分の中での決済プラットフォームを作る」という視点では金銭的なメリットより優先すべき事項のはず。

「余計な機能がないか」と「無駄な他社サービス連携がないか」

僕が「本質的に不要なもの」をことごとく嫌っているのは普段ブログをお読みくださる皆様もご承知のことと思いますが、今回もこれがSuica(PASMO)選択のわりと強い理由になっています。

つまりですね、これはさっきも書いた「特定のクレジットカードなどの仕組みに依存していない」件とも繋がっているわけなのだ。

  • 交通系IC
  • クレジットカード

というこの2つは、キャッシュレス決済という観点では似ているようで実は全然別種のものです。だって前者はある意味プラットフォームそのものを直接使っていることになるからね。

credit-card-system

クレジットカードは「クレジット決済」という仕組みを利用するためにそれを提供するクレジット会社が挟まります。僕らが実際にサービスを受けているのはこの会社のものであり、そのためには面倒くさい会員登録やら専用の会員画面やらダイレクトメールに郵便物も来て…など余計なものが増えます。

これが僕が嫌う「本質的に必要のない部分」です。

対して交通系ICは、ある意味仕組みそのものを使っていると言えると思うんです。

traffic-payment-system

もともと改札を通るためだけにできたシステムだけど、そのシステムの形が全く変わらないまま同じ組織によって提供され続けていますよね。

僕はこの点でもSuica(PASMO)が優れていると考えました。

レジ前で発音する電子マネー名を冷静に想像する

さて、ここで冒頭の悲劇をもう一度振り返ります。

「お支払いは現金ですか?」

「あ、ァイディで」

「はい、楽天Edyですね」

シャリーン…

実を言うとこれまで書いた内容は正直どうでもいいくらいのレベルかもしれなくて、実際の支払いシーンを超冷静にイメージしてみたら自ずと選択肢は限られてくると、強く、強く思うのですよ。もう激しく思う。思いまくる。

「そんなのこじつけだろ意味分からん」と思うでしょう!

しかしあなた、想像してご覧なさい。

実際にお金を払うときに目の前でやり取りする人は毎度知らない赤の他人だし、ひょっとしたらマスクをしてビニール幕が下がっているかもしれないし、やたら店員と距離が遠いレジかもしれないし、思いのほか店員さんがかわいい女の子で妙に緊張してしまうかもしれないし、そもそも長い決済サービス名を毎回ちゃんと発音するのは果てしなくダルいし、毎回この試練を超え続けるのはもう面倒くさいにも程があると思わない?

 

 

たぶん今この記事で本当に言いたいこと全部言った。他には何にも書かなくてよかった説がある。

…が、まあとりあえず最初に挙げたサービス名もここで実際に見ておきましょう。

  • 楽天Edy→「エディ」と「アイディ」の件はネタではなくマジである、だが「ア」からハッキリ言うのはだいぶMP消費する、かといって「楽天」なんてワード出すのは問答無用で避けたい、ダサすぎる
  • iD→同上、そもそもサービス名考えるときもうちょいなんとかならなかったのか、普通に発声しづらい
  • QUICPay→長すぎワロタ
  • nanaco→悪くはないがそもそもの決済手段として選択肢に入りにくい、あと店員さんが ななこさん だと気まずい
  • WAON→僕は恥ずかしくて絶対言えないww
  • PayPay→一番発声したくない語感、なんて無能なサービス名なのかと発表当初から思ってた(でもPayPayは今回の件とは別で、実際にも使ってます)
  • LINE Pay→なんやそれ誰が使っとるんや
  • メルペイ→なんやそれ誰が使っとるんや
  • d払い→なんやそれ誰が使っとるんや

です。

 

以上のことから、キャッシュレス決済においてどれを使うのかという話の結論はSuica(PASMO)になるわけです(威圧)

交通系ICがいつの間にかSuica(PASMO)にすり替わっている件は後ろで少し話していますのでそちらで。

決定した決済方法を何のプラットフォームで利用するか

記事的には今の時点でもう使用する決済方法はSuica(PASMO)に決まってますけど、実際には他の観点でも検討をすべきです。

何かというと、「どんなプラットフォームでその支払いをするの?」という話。

具体的に言えば

  • カード類(タッチ/渡す/スラッシュ/入力系)
  • おサイフケータイ類(Felica/NFC(Apple Pay))
  • その他(ウェアラブル端末/スマホアプリ/バーコード決済)

みたいな感じ。

実際に挙げると少なく見えますが、これは同時に

  • お財布に入れる?定期入れに入れる?
  • そもそも別で持つん?今使っている仕組みと兼用できない?
  • スマホはいつもポケットにないけど本当に便利か?

など、その人の行動スタイルと最も深く関わる部分なのでじっくり検討すべきであるという側面があります。個人差が出やすい部分、とも言えますね。

僕は外出するとき何も持たないし、もっと言うと極力自分の重量を軽くしたいので全てにおいて最適化検討をしているようなタイプです。特にお財布は時間をかけました。

ちなみに使っているのはハンモックウォレットという絶句するほど薄くて軽いのになぜか普通の財布より使いやすいという異次元のシロモノです。気になる方は の記事でどぞ。

モノはこれ。

Cartolare-hammock-wallet-height

わりと平均的な量のお札とか小銭とか全部入れて横から見たところ。えげつないほど薄い。

上で言ったように、メインで使っているクレジットカードがこのお財布の中に入っているわけですが、僕としてはもうキャッシュレス決済方法としてSuica(PASMO)が上位に来てしまっている。

「じゃあそのクレジットカードがApple Payなりで使えればいいんじゃないの?」

と鋭いみなさんはお気づきでしょう。

でも残念、それはダメなんだ。

ここで最大の問題、Apple Payの場合、メインの支払い方法がクレジットカードだと生体認証及びパスコードロックの解除が必要になる件が立ちふさがるわけなんですよ。

これは「エクスプレスカード」という仕組みによって差が生まれていて、例えばPASMOでも明確にその対応が謳われています。

express-card-pasmo-apple-pay

もちろんこのエクスプレスカードに使いたいクレジットカードが対応していればいいのだけど、今は現実的な選択肢がかなり貧弱なことが問題です。

さすがにこの細かい情報をまとめているサイトを見つけるのは難しく(多くの人はここまで気にしないんでしょうね…)、「エクスプレスカードに対応しているクレジットカード」みたいなものが分かりませんでした。これが分かると僕の未来も広がる可能性があるのは魅力的です。

みるみ
みるみ

少なくとも時間が解決してくれるっていうのは多分にあるよね!(でもクイックペイとかアイディとか言いたくはない…)

このほか、Apple Payまわりには明文化されていない謎な仕様違いが多々あって思うように使えないことが多く、僕のSuica(PASMO)説をより一層推してくるのでした。調べても詳しいことが何も分からないのが技術者的にも気持ち悪く感じるところですが、気持ち悪いものは触れないのが一番なので仕方ない。

というわけで、

PASMOをおサイフケータイ(今の僕はApple Pay)で使おう

というのが僕の結論になるわけです。

いつしかSuica(PASMO)ですらなくPASMOオンリー表記になってますが、その話はようやっと次で触れます。

SuicaとPASMOの違い、Suicaに属する他のICカードとの違い

ここは交通系ICカードそのものの話になるので興味ない方は飛ばしておくんなまし。

まず、「SuicaとPASMOどちらを選択するべきか」という点からです。

みるみ
みるみ

例によって僕の意見なので細かい違いを知りたい方はご自分でググってね!

これは通勤・通学で定期券を使っているわけではない限りマジでどっちでもいいと思います。

今の日本で「どちらかが使えてどちらかが使えない」という状況はほぼないと思うので、そのとき作りやすい方を取ればいい。要は最寄り駅がJRかそれ以外かでいいんじゃないでしょうか。

suica-and-pasmo-diff

ちなみにみなさんもご存知の通り、Suica系列は地方によって名称が変わります。(出典:マイナビニュース

ただし定期券を作りたい場合は話がややこしくなるので、それは割愛します。

いずれにしても今どちらかを持っていない人というのはだいぶレアだと思うので、ここは深く考えなくていいのかなーと。

究極を求める人は「交通系IC自体で発生するポイント」の差分が面白い考察対象になるかもしれませんが、これは本来の趣旨だった「他のサービスとの結合をなるべく疎にする」の観点で好ましくないので却下。

Suicaはこの傾向が強い上、初期費用がかかるケースが昔から多かったので僕はPASMO派です。

ちなみに使うのはPASMOでも「Suicaで」と言えば全く問題なく使えるのでこの記事の結論には何の不都合もありません。
(実は使っているのはSuicaではなかったというオチ)

3.払う

装備を整えたらお店へ向かう。
そこで支払いを完了するまでが勝負だからである。

shopping_reji

「ご注文はお決まりですか?」

(きた…!)
「えっと、スイカで

「はい、プラス2,980円ですね」

suika-not-suica

ドン!

 

 

 

電子マネーで溢れかえる混沌としたこの世界、もうヤダ。

おわりに

素朴な疑問なんだけど、そもそもクイックペイとかアイディとかって本当に全部言わなきゃいけないの?と思う。

いや、たぶんダメなのは分かってる。よくレジ越しに見える端末のUIを見る限り、

cashless-payment-device

こんな風にボタンが分かれてる気がするから。

でもさ、こんなのユーザーにはブラックボックスにしてイイ感じに読み取って中でよろしくやってくれよと思わざるを得ない。なんでここだけこんなにレガシーなんだ…。

この辺がもっとしっかり設計されていればそもそも冒頭の悲劇は起こらないし、僕らはもっと有意義な決済方法選択を検討できるし、良いことばっかりなはず。

これはつまり端末を作った人が無能ということになりPanas◯nicやT◯SHIBAあたりを矢面に立たせれば… 嘘です冗談です。彼らにはなんの恨みもございません。

というわけで今回のお話はこれで以上。

キャッシュレス決済まわりは色んな要素が組み合わさるのでどんな切り口で現状をまとめようかとずっと模索していましたけど、とりあえず最低限書きたいことは書けたのでスッキリしました。

みるみ
みるみ

でも実は細かいことめーーーっちゃ省略しちゃったので、本当はこれまでの迷走を全部書きたいとは思ってた。でもね、さすがにそんなの誰も要らないしね…。これでよかったよね…。

例によってみなさんの粋な運用方法がありましたらぜひ教えてください~

みるみ
みるみ

ブロガー、ソフトウェアエンジニア。

この「みるめも」というブログの筆者です。

この記事へのコメント

テレビでPayPayがギャーギャー喚き出す前から、Suicaじゃいかんのかってずっと思ってました。みんな既に持ってて、チャージも一瞬でどこでも出来る。NFC決済も出来る。こんな既に出来上がってる物を活用しない手はないですよね。
キャリアがdocomoの関係でd払いを使っていますが、支払いだけに使うなら問題ないです。開いてすぐバーコード/QRコードが表示されるので。

問題はキャリアの悪い癖あれこれ詰め込みすぎにあります。アプリを開いてバーコード、限度額等の表示は必要なので分かるんですが、それ以下の有象無象が動いたり主張したりしてほんとに邪魔です。そういうゴミは必要になったらこちらの意思で表示するので、初期画面には表示しないで欲しい。
といってもバーコード決済などをほとんど使わないタチなのであまり気にしていません。この記事を機にSuicaに統一してみようかなと思います。

思えばPayPayのときは「また変なのが出たか…」と思っていたはずなのに、今じゃむしろPayPayがまともに見えてしまうくらいカオスになっちゃいましたね。
既に完成されているってのはまさにおっしゃる通りだと思います。
それにしても記事を読んでいただいて何かのきっかけになったようでしたらこれ以上嬉しいことはありません…!

d払い、使ってらっしゃったんですね!
でもやっぱり色々詰め込み過ぎなきらいがあると…。

ありがとうございました。

交通系ICは電車にも乗れるって点で優れてますよねー。
ただ最後のお話、ブラックボックスにしてしまうとちょっと問題があるような気がします。
例えば僕が普段使っているGoogle Payだと、端末上に複数の決済情報を持たせておいて、どの方法で支払うかレジで伝えてタッチするといい感じに決済される って感じなので、システムが判別するようになってしまうとこのような決済方法ができなくなってしまうように思います。
後財布にSuicaとQuickPay対応カードをどっちも入れてる場合とかもそうなりそう…(何でも通すようにするとアンチコリジョンが働かない)
そういうわけで、結局レジで伝えるのが最適なのかなぁと。

たしかに、そもそも決済方法を一本化しようと思ったら電車とバスに乗ることを考えた時点で交通系IC一択になっちゃいそうですね。

>ブラックボックス
なるほどー。たしかにGoogle Payとかは選択式でしたね。それに競合対策か…。さすがにちゃんと考えられた上での設計ですかね。笑
まあ最後のは個人的な文句というかグチということにさせておいてください。。
ご指摘はとても正しいと思いました。ありがとうございました。

古い記事にコメントすいません
どうやってオリコカード・ザ・ポイントの還元が4.75%になりますか?

厳密にはポイント自体の還元率が高いわけではないというのと、だいぶ個人的な事情が絡むので詳しい内容はあまり書けないんですが…。
「Tポイント 20日」でググってみるとヒントがおわかりになるかと思います。

返信ありがとうございます!
早速調べてきます!

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