ねこは吐く生き物です。
…とは言っても、今まで自分の飼い猫は一度も吐いたことがないのにいきなり吐くようになったらだいぶ焦ります。いや、マジで冷や汗モノです。僕もそうでした。
そんなわけで今回は、
- 今まで吐いたことのなかった猫が
- 突然吐くようになったとき
という感じで、「吐いているけど、現状では本当に問題がないのか?」を一緒に確認していきましょう。主に猫を飼い始めたばかりの方に向けて書いているつもりです。
落ち着いて観察すればちゃんと分析できるので安心しましょう。順番に読み進めてみてください。
吐瀉物の写真を載せているので、食事中の方は今読まれない方がよろしいかと思います。
前提!
まず
ねこは吐く生き物なので嘔吐があったとしても特段慌てる必要は(基本的には)ない
ということを理解しましょう。
この「吐いたものがどういうものなのか?」ということを調べて猫に異常がないかを考えていきます。
併せてその前後のねこちゃんの状態も観察することで、食事やグルーミングなど普段の生活形態の改善も検討していきます。
ではさっそくそれぞれのパターンへ。
成猫(1歳以上~)なら基本的に初めての嘔吐でそこまで慌てる必要はないですが、子猫の場合はなるべく動物病院に連れて行って上げるほうが良いです。
生後数ヶ月の子猫の場合は、成猫に比べると、餌をしっかり消化吸収できないことによる低血糖、嘔吐による電解質バランスの乱れ、脱水、などが起こりやすいです。
また、成猫よりもウイルスや寄生虫による胃腸炎に罹患する可能性も高いので、あまり様子をみずに早めに受診されたほうがいいでしょう。
僕も子猫のときから2匹を飼っていますが、初めて吐いたのは成猫になってから随分経った後です。たしかに子猫のときは異常度合いが高いのかも…。不安を残さないよう病院に行くのがベターですね。
吐いたもの:毛玉
「ねこは吐く生き物だ」と言われる所以でもある毛玉の吐き出し。
毛づくろいした毛をうまく消化することが出来ず吐き出してしまいます。もしくは便から出ることも。
毛玉をどのくらい吐くのかはその猫がどのくらい毛づくろいするのかにかなり影響されます。そりゃそうだ。ということは、僕らがグルーミングしてあげてなるべく余分な毛をメンテしてあげていれば毛玉の嘔吐率は下がるのも至極当然なことです。
こういうねこ用ブラシみたいのを使うのももちろんいいし、飼い主さん自身の手で毎日撫でてあげるだけでもかなり効果はあると思ってます(その代わり手がものすごい毛だらけになるけどw)。飼い主さんの愛情を伝えることにもなるし、いずれにしろ毎日撫でてあげるのって必須だと思います。そんなこと意識しなくても家に居るねこは勝手に触っちゃうわけだけど。
というわけで、毛玉をたまに吐くくらいなら特段注意することはないと思います。
改善できることがあるとすればなるべく毛玉を便として排出してくれるような作用がある良いご飯をあげること。
うちではずっと ピュリナワンという餌をあげてます。ちょっと他の量産品より割高ですが、めちゃめちゃ健康に良くてこれ以外はもう考えられません。便も元気、毛艶も全然変わる。すごい。
そんなわけで今までうちのにゃんずが毛玉を吐いたことは数回あるかないかのレベルです。効果出てます!
猫草を吐くこともありますが、それも毛玉を吐き出すためのものということで割愛します。そもそも完全に家猫なら飼い主さんが猫草を与えない限り「草らしきもの」が出てくるはずはないので。
吐いたもの:直前に食べた餌
ねこはあまり食物を噛み砕かず丸呑みするクセが強いです。人間でもそういう人いますよね(自分
そうなると当然胃の中で処理しきれずに戻してしまうことが多くなります。
すごいたっぷり吐いたのに何事もなかったかのようにケロッとしているねこちゃんが多いですが、その場合は心配いりません。ただ単にがっついちゃっただけで、その後は食欲もあるしまだご飯も食べたいはず。
しかし逆に、吐いたものが直前に食べたものだったとしてもその後に食欲が全然ない・明らかに元気がなさそうという場合は注意が必要です。
胃(もしくは他の部位)に何らかの異常があって食べ物を処理できない状態の可能性があるからです。僕らも胃腸炎とかなるとひどいときは水を飲んだだけで吐きますもんね。
愛猫がくり返し吐いて、食欲もないようなら、何かの病気にかかっているのかもしれません。特に内臓疾患を抱えている場合には、嘔吐が症状としてあらわれることがあります。その内臓疾患のひとつが、消化器系の病気です。
「よく噛むかどうか」はかなり個人差(個猫差?笑)があって、例えばうちの2匹のうち1匹はよく噛んでゆっくり食べるけどもう1匹は食べるのが速い分確かによく吐くんですよね(しかも女の子…)。
「食後すぐに吐かないようにする工夫」はとても大事です。ここは比較的飼い主さんが色々工夫してあげられる部分だと思っていて、僕も色々やっています。
ご飯の盛りつけ高さ
猫に限らないですが、食べ物を口でつつくとどうしても下向きになるし、食道も平行か逆向きになってしまいやすいです。
これでは当然気持ち悪そう。
というわけで少しでも食道を通る食べ物が重力にならって進めるよう、ご飯の高さを上げるととても良い感じになります。
このご飯ボウルが既に高さを意識しているのは一目瞭然ですが、それでもやっぱり低いねこちゃんの方が多いでしょう。さらにうまく調節してあげられるといいですね。
ちなみにこのボウル、ご飯用とお水用があって超お気に入り。
お水は安定感重視でgoodです(重いし底が広いのでひっくり返らない)。
消化しやすい形状に
いつも上げているカリカリも、例えば水に溶かして少しでもふやかしてあげるだけでかなり食べるのが楽そうになってます。できればちょっと良いウェットフードとかを混ぜるとねこちゃんも喜ぶかも。
※水分が入ると今度は衛生管理が気になるので、必ず1回で使い切るようにしましょ。特に夏!!
吐いたもの:白い泡、黄色い液体
これは胃液です。
胃の中に食べ物がなにもないのに吐いちゃうから胃液が出てくるという状況です。それすなわち空腹状態であるということ!
つまり、ほとんどの場合身体自体の異常があるわけではないのでこれも急に不安になる必要はありません。
うちの子(例の女の子)も一番多い嘔吐はこれでした。最初は「なにもないのに嘔吐する」という状態にかなり異常事態なのかと焦りましたが、適切なご飯環境を用意することでだいぶ改善できました。
- 時間を決めて定期的にあげる
- 1回の量を少なくする代わりに何回かに分ける
これを徹底するとほぼ吐かなくなりました。
うちではさっきの自動給餌器をメインで使っていたので、それをベースにしつつ僕がお皿に盛って生活圏の近くに置いてあげる、とかそういう感じだったんですよね。だから常にご飯があり続ける状態だったわけで、そうなるとなんかご飯をあんまり食べなくなる?
確かにちゃんと片付けるように実験してみたらご飯の時刻になったときの積極性が回復しました。おもしろいなー!
ちなみにその自動給餌器自体はとっても良いものです。そもそも「決まった時間に決まった量を出す」というその目的を果たすためのものなので。旅行はもちろん、普段の外出時にも活躍します。万一停電しても乾電池にシームレスに切り替わる保険付き。
吐いたもの:血液(茶褐色に見える)、なんなのか想像もつかない異物
言うまでもなく明らかに異常です。
専門家じゃないので僕が詳しく行える分析はないんですが、1つ言えるとするなら即刻病院へGOして。それだけです。
「膵炎や肝炎、また甲状腺機能亢進症などを患っているときも、嘔吐の症状が現れることがあります。」
ということなので、僕らが思っている以上に重大な損傷があるかもしれません。
さすがに僕は実物を目にしたことはないんですが、たぶんこっちも慌てて気が動転してしまいそうな気がします。前もってこういう内容を知っておくことで適切な対処ができるようには間違いなくなれるはず。善処しましょう。
吐いた前後で:食欲がない
前述しましたが、なにを吐いたかによらず「食欲がない」という状態自体が既に異常と考えるのが自然ですよね。
これも病院案件です。
吐いた前後で:便秘をしている
「便秘が原因で、結果として嘔吐になってしまう」という事象があるようです。下から出せないから上から出すってわけですね。
便秘が原因で食欲不振になったり、場合によっては吐くこともあります。
1~2日程度の軽い便秘であればさほど心配はいりませんが、何日も便がでず、直腸内が便でいっぱいの状態がつづくと、自力では排便ができなくなることもあります。
病院へ行くと下剤系の薬や整腸剤などをいただけます。
ここを考えると、「日々のトイレ掃除がいかに大切か」がよく分かります。毎日便を観察していないと絶対気付けないもん。
実際数日おきとかで毎日やっている人は少ないと思うけど、例えば「いつもと同じ頻度で掃除しているのに今回だけうんちが少ない」などは便秘の兆候を捉える良いきっかけになり得ます。
そう考えると完全自動トイレ、いつかは欲しいなあなんて思ってたけど、けっこうリスクありますよね…。
おわりに
少なからずみなさんのねこちゃんの嘔吐も、今回紹介したどれかには当てはまっていたと思います。というか、もし当てはまっていないのならそれは相当な異常だと言えます。すぐに病院に連れていきましょう。
今回自分でこの記事を書いてみて改めて気付いたんですが、「そもそも猫自身が全くストレスなく健康的な生活を送れていればやっぱり吐くことはないんじゃないか」と思いました。ねこは吐く生き物と言われがちだけど、実はそれって最高峰の快適さを与えられていれば起きないことでは?と思ったりもしたんです。
とは言え現実的にはそれは厳しいだろうし、毛玉の吐き出しなどはやらないよりやった方が全然良いことのはずなので、躍起になる必要はないでしょう。今回紹介したパターンの中で問題のないものがたまに起こるくらいなら気にしなくてOK!ということにします!
自分の考えもまとめられてナイスでした。やっぱりブログっていいな。
ではでは、お読みいただきありがとうございました~