カロッツェリア(パイオニア)から出ているサイバーナビというカーナビがあります。
旧来からずば抜けた人気と売上を誇る業界トップであるわりには、Amazonでのレビューだと意外と平均点が低いものがあったりする。
「結局大したものじゃないんだろ?」
と、ちょうどカーナビの購入を検討し始めたあなたは思っているはず。
いやいや待ってくださいよ。
カーナビを販売していた経験がある僕自身ですら、本当にベストだと思っている選択がサイバーナビです。過去に異種3モデルの使用経験がありますがその考えは変わってません。
↓僕自身のサイバーナビレビュー記事
では「良いもの」であると仮定するとして、「じゃあなぜレビューは妙に点数が低めなのか?」を紐解いていくのが今回の記事です。
- 実際に使った人しか分からない視点
- カーナビを他社製品含めかなり比較したことがあるという広い視点
などが主軸になっている話ではあるんですが、前半の内容自体はけっこうふわっとしてます。ご了承ください。
まずレビューの傾向を知る
今回の話をするにあたって、まずはその実態を掴む必要があります。
「なんとなく点数が低いものが点在している」のではなくて、実はそこにはそれなりの傾向があります。
みなさんも実際にこのAmazonでの検索画面を見ながら記事を読み進めていってみてください。→ここからAmazon「サイバーナビ」検索結果に1発で飛べます
この記事を投稿時点(2019年11月)より前の直近でサイバーナビのニューモデルが出たため、まだ評価が付いていないものが多いです。今回はフルモデルチェンジに近いので今後の動向は僕も気にしています。
まずみなさんが一番最初に思うであろう感想は
「そもそもレビュー数が少なすぎね?」
ってところだと思います。しかしこれには明確な理由があって、それはAVN一体型カーナビはネットで買うものではないからです。
カー用品店で取り付けなども込みで購入するのが一般的なスタイルで、本体だけをAmazonなどインターネット通販で買うというケースは非常に少ないです。これは本体の他にも必要なものがたくさんありすぎるし、そもそも適合可否すら分からない、もちろん取り付けも自分でできないという、一般ユーザーからすると高すぎるそのハードルが原因です。
この辺の話は僕もブログでたくさん記事にしています。
でもトータルですごく安くあがるので、僕自身はカーナビのネット購入をとってもおすすめしています。気になる方はぜひどうぞ。
…という背景があり、それは実際のAmazon上での数値にもデータとして現れているということですね。特にサイバーナビのようなハイエンドモデル(=高価なモデル)になるとそれは顕著なんです。
ここまでで言いたいことを一旦まとめておくと、
今回の話はそもそも少ない母数で語ってしまっている話である
ということです。レビューの件数が少なければそのバラつきも大きいのは当然で、3件中たった1件でも「ダンボールが潰れていました」みたいな的外れな星1評価がなされていれば全体の平均は著しく下がるわけです。
レビューの見方の話も絡んできてしまっていますが、それは別で書いた記事に譲るとして、今は話を進めましょう。
ではレビュー件数が少ないのは分かった上で、ここでちょっと価格順に並べ替えてみましょう。今は話を分かりやすくするためにカロッツェリア(パイオニア)のエントリーモデルである楽ナビも含めます。
…けっこう見えてきましたね。
そう、商品価格が高いものほどレビューが悪化傾向にあるんです。
今回お話したいポイントはズバリここ!
なぜ高いものほど点数の悪化傾向が強いのか?
一般論として、「商品の単価が上がるほどユーザーの評価目線は厳しくなる」というものがあります。当然ですね。
分かりやすい例を挙げると、
- 100円ショップで買ったモバイルバッテリーが、3回目の使用ですぐに壊れた
- 4,980円で買ったモバイルバッテリーが、30回使ったところで壊れた
価格と使用回数の大小関係はどうでもいいです。言いたいのは価格がある一定ラインから上がるとユーザーは途端に「対価に見合わない」と感じやすくなるということ。100均の商品なら、下手すると1回も使えなくても「まあそんなもんか」ってなりますよね。
今回サイバーナビで起きているのもまさにこれで、対する楽ナビ(とディスプレイオーディオ)の評価傾向がかなり良好なのもよく現れていると思います。
まだナビ自体の話をなんにもしていないので、そろそろ一般論は終わりにして次へ行きましょう。
サイバーナビは「尖った商品」なので万人受けしない
ある商品が高価なのは
- 機能数が多いから
- 便利で革新的、他に同じことをできるものが少ない、もしくは全くない
- ブランドパワー
といった理由に集約されることが多いです。サイバーナビはどこがメインかというと、1つめと一部2つめ、だと思っています。
例えば「高品質な道案内をするだけ」に絞って考えてみると、その90%は楽ナビでも満たせてしまいます。機能的には。
つまりそれって、"別にサイバーナビを買わなくてもいい"んですよね。
しかし。
音の面とかだとかなり分かりやすい機能の差や質の差がたしかにあるし、それ以外にもカロッツェリアというブランドの要素もやっぱりあるし、車への愛着心が強い人が持つ「こだわり」みたいなものを昇華させてくれる要素もあるでしょう。これは実際に僕がカーナビを売っていたときもお客さんから直に何度も言われたことです。
(僕は直接は知らないんですが、一昔前では車の後ろとかに「carrozzeria」とでっかく書かれたステッカーを貼ったりするのが流行るくらいのブランド力があったみたいです)
うまく言えないんですが、ただ単に機能を満たしたいだけでいいならサイバーナビはその人にとって必要はなくて、結果として「買ってよかった」という評価になりにくいんです。ユーザーを選ぶというか、「誰にでも使えるフラッグシップモデル」ではないという感じ。
多くの人には(一般的には)必要のない価値がたくさん盛り込まれている製品なんだけど、それを「単なる上位互換」みたいな売り方をしてしまっていると、「なんだよ高い金出したのに全然意味ねーじゃん」となっちゃうわけです。
こういった「コストとパフォーマンスの不釣り合い」を一定量理解している僕でも、選ぶのはサイバーナビです。その「不釣り合いだけど確実に良い部分」になによりの魅力を感じているからです。
ハイエンドの商品がウケるのってそもそもこういう部分じゃないですか?と改めて思います。ニッチなファンやマニアックなお客さんってそういう部分に魅了されているんじゃないでしょうか。
ここまでが僕の考えをざっくり表した答えです。
次からはもうちょっと深堀りしてみますので、気になる方はぜひ続きもどうぞ。
実際の低評価レビューを見てみる
ここからは実際にAmazonでの低評価レビューを見ながらあれこれ言ってみたいと思います。一応付記しておきますが、間違っても低評価レビューを付けている人を否定したいわけじゃないです。たしかにファンではあるけど別にメーカーの回し者じゃないし…。笑
今回は、この記事執筆時点で最新モデルである「型番末尾が910」になっているものより1つまえの「902」モデルを取り上げてみます。最新を選ばないのはまだ単にレビューが付いていないからです。
カーナビは1つのモデルに複数サイズ展開されるのが普通で、カロッツェリアは7インチ、7インチワイド、8インチといつもラインナップするので今回もその3つを調査しました。サイズについて詳しく知りたい方はこちらの記事で。
追記 (2020/9/8) :2019年後半以降、今はカロッツェリアも9インチナビが標準でラインナップされるようになりました。世間の大画面化の主流に乗るとなると、むしろ7インチ無印とかは減っていくかもしれませんね(でもホンダ車とかは基本7インチしかつかないのでそれもないか…)。
AVIC-CZ902(7インチ)
いやー、これは絶対ないと思うんですけど!!笑
僕もサイバーナビからサイバーナビのアップデートをした経験がありますが(4年分新しいモデル)、その他の環境はなにも変えていないのに劇的な変化が間違いなくあったことを確信できました。「耳には自信がある」とかそんなんは一切関係なく、まあその辺の人が聞いても「おお~」って分かるレベルだと思えました。
ただしその差が分かりやすいのかどうかはスピーカーを純正から変えているかによって超影響がある点には注意です。
レクサスクラスになれば話は別ですが、現代の大衆車は新車であっても純正のカースピーカーはかなりしょぼいです。1万ちょっとのカースピーカーを入れるだけでもう信じらんないくらい音変わりますから。ほんとに。
※同じ1万クラスのを買うなら「コアキシャル」じゃなくてツイーターが別になっている「セパレート」というタイプを絶対買ってください。雲泥の差です。
しかしまあ、そうじゃない場合であっても「最新のサイバーナビにして音が悪くなる」っていうのは常識的には考えにくいです…。相当なにかが上手くいっていないか接続に問題があるか…(←このレビューの方のケースだとここがけっこう怪しいのではと思ってます)。
これは今回の記事でお話した件ですね。
このレビュー文の前ではサイバーナビが独自に持っている色んな機能について書かれているのですが、この方は「それは実際に使ってはいないけど」と前置きした上で、「そのくらいの内容差なら価格の価値に見合わないかも?」と言っています。
それはまさに仰るとおりという感じで、機能と価格を冷静に天秤にかけるような買い物をする場合、多くは楽ナビでその希望は満たされると思います。楽ナビの評価が総じて良いのはまさにここの違いですね。
ここは僕が特に言えることはなくて、アドバイスできることがなにかあるとするなら「欲しい機能が満たせれば良いというタイプの人は楽ナビにした方がいいかも?」くらいですね。
AVIC-CW902(7インチワイド)
ちょっとこれは僕のフォロー範囲を超えていてなにも言えません。笑
事の真偽も分からないですし、サイバーナビの本質的な評価ともやや違うのでノーコメントですかね。少なくともパイオニアはそういう対応をするメーカーではないと思ってますが…。
ちなみに最もバグが多いと言われたサイバーナビは2016年モデルで僕の愛用機なんですが、今のところなんともありません(ソフトアップデートしたからもう完治してるのかな?)。
AVIC-CL902(8インチ)
すみません、実際に記事を書き始めてからレビューの詳細をチェックし始めたので、なんとこの8インチモデルでは紹介できるものはないという結果になっちゃいましたww
クソ無計画でごめんなさい…。
代わりと言ってはなんですが、1つ紹介しておきたいものはありました。
これはデメリットでもなければ、メーカーが悪意を持ってやっていることではないとみなさんに知って欲しいです。
ただしその全容を理解してもらうためには小難しい知識をたくさん習得しなければいけないのでここでは割愛するのですが、むしろユーザーの購入負担が減るようになっているナイスなアイデアだということは覚えておいてください。
ちゃんと知りたい方は、
あたりの記事を読み込んでいただくと分かると思います。
Amazonで「サイバーナビ」と検索して妙な平均点の低さを見てこの記事を書こうと思ったわけなんですが、意外と中身を見てみたら全然そういう感じじゃなかったと正直今は思ってます(爆
例えばさらに1つ前の901シリーズは軒並み評価が良いし(ハイレゾ対応、操作サクサク感超アップで人気だった)、たまに星1があったかと思えば「アウトレット品買ったら発泡スチロールがなくてAmazonの商品管理に呆れた」とか(リンク)、ナビの梱包自体で十分問題ないのにAmazonの箱がでかすぎて「梱包が雑だ」とか(リンク)そんなんばっかりで、やっぱりサイバーナビの評価は、たとえAmazonであっても僕が思っていたほど悪くはないのかもしれません。
これは僕としてもなんだか嬉しいというか、気付けて良かったなと思います!
おわりに
まとめとしては、
サイバーナビはすっごく良いものであるのは間違いないんだけど、その魅力を100%楽しめる人は実は「誰でも」というわけではない。そこを理解できないで購入してしまった人は失敗に感じるかも
という感じでしょうか。
ただ注意していただきたいのは、今回の記事はとてもネガティブな書き方をしていて実際にそういう内容を前面に押し出してしまっていますが、決して「サイバーナビがコスパ激悪のクソ商品だ」なんて言いたいわけではないということ。
というか僕はサイバーナビ大好き派なので、そんなこと微塵も思う余地すらないわけですが、お財布の紐をどれくらい緩められるかは個人によって全く基準が違うということも理解しているので、今回はこういう伝え方にしてみました。
そういう意味で言うと、お金を出せるなら(もしくは新車買い換え時などで予算の上限がけっこう高いなら)最初からサイバーナビを選んだほうがいいです。絶対です。そこは完全に上位互換であると思ってもらって差し支えないと僕は胸を張って言えます。現行モデルなら、長年のサイバーナビの弱点だった「ややもっさり感」も完全に払拭されてますからね!!!
↑これ現行モデルですが、この記事執筆時点ではまだ誰もレビューを投稿していないので、ぜひあなたの手で…。笑
※僕もまだ触ったことがないので体験したらレビュー記事書きます!
サイバーナビ単体のレビュー記事などが気になる方は下記記事もどうぞです。
それでは、ちょっとふわっとした記事でしたがお読みいただきありがとうございました~