今回EaseUSさんからデータの復元ソフトで有名な「EaseUS Data Recovery Wizard」のレビュー依頼を頂き、実際に使ってみた感想等を交え使い方の紹介をします。
確実に需要のあるソフトジャンルだと思うので、自分のためにもよく覚えておきたいものですね。
データ復元ソフトとは?
データ復元とはその名の通り、なんらかの原因で削除されてしまったデータを復元させる=元に戻すことです。自分での過失からその他物理的な原因を含め、消えてしまった要因は限定されません。
しかし、「この削除要因をどこまでサポートしてくれるか」というのはデータ復元ソフトによりますが、どうやらEaseUS Data Recovery Wizard(以下DRW)は全ての削除要因を対象として復元してくれるようです。
「このソフト1つ入れておけば安心!」というところでしょう。
ちなみに、主なサポート対象データ紛失原因は以下です。
それぞれ軽く説明しておきます。
ハードディスク復元 | 「ハードディスクから消える」とは即ち、単なるミスから物理的損傷によるデータ損失まで諸々を含んでいるということでしょう。ハードディスクは機械製品の中でも特に外的要因に弱いですから、ここにお世話になることは多そうです。 |
ゴミ箱復元 | エクスプローラー上でただDeleteキーを押しただけなどの場合、多くは「ゴミ箱」にファイルは移動され完全には削除されていません。しかしそのゴミ箱からも削除してしまった場合にデータを復元するのは一般的には難しいです。 |
削除復元 | ほとんどの場合の「誤ってファイルを削除してしまったケース」であると言えます。一番使うことになる紛失要因でしょうね。ちなみに「完全削除」とは、ゴミ箱を経由せずいきなり完全に削除してしまうことをいいます。 |
ウィルス攻撃復元 | これはそのまま、コンピュータウィルスによる被害などでのデータ消失のことです。 |
パーティション復旧 | ハードディスクでは自分の好きな容量ごとに「区切る」ことができますが(これをパーティション分けといいます)、そのパーティション自体の損失も復元できるということでしょう。すごいですね。 |
外付けデバイス復元 | SDカードやUSBメモリなど外部メモリにも対応しているようです。個人的にここはかなり使うこと多そうですので助かります。SDとかよくデータ飛びますもんね。 |
システムクラッシュ復元 | OSなど(もっと大きいファームウェアレベルまでかな?)の大きな単位でエラーが出た際に失ったデータのことだと思います。ここまで来ると被害は甚大でしょうから、復元できるのは本当に有り難いですね。 |
フォーマット復元 | 外付けデバイスは「フォーマット」といってきれいな状態に戻すことがOSによって可能ですが、それによって削除されたデータも対象になります。 |
そのほかの復元 | ここに記載されていないような紛失要因でも対応してくれるとのこと。とにかく消えちゃったデータは全部DRWに頼んでみましょう。 |
使い方
では実際に使ってみましょう。
今回はすぐに体験できそうなパターンとして、
- 手動でファイルを完全削除してみる
のケースによって失われたデータを取り戻してみたいと思います。
手動でファイルを完全削除してみる
というわけで、デモに使うファイルの用意です。
デスクトップ(Cドライブ)上に作った「sample」というフォルダにある、下記5つのファイルを完全削除してみます。
- png形式の画像ファイル1
- png形式の画像ファイル2
- wav形式の音声ファイル
- txt形式のテキストファイル
- png形式の画像ファイル3
今回は完全削除の方法として、「Shift」+「Delete」ではなく一度通常削除→「ごみ箱を空にする」を実行、でいきたいと思います。
ではでは。
ファイルの通常削除を行う
まずはフォルダ「sample」からDeleteキーを押してファイルの通常削除です(分かりやすくするため下記画像では右クリックメニューから行っています)。
ごみ箱から完全に削除する
先ほど削除したファイル群がごみ箱に移動されていますので、ここから空にします。
EaseUS Data Recovery Wizardの起動
ファイルを無事完全削除したところで、DRWを起動します。
※インストールは特に難しいところはないので割愛しています
起動するとこんな感じ。
「スキャン」とは、「復元したいデータがどこにあったか教えてね、そこから最近消えちゃったデータを探すよ」ということです。
さすがにここが分からないということはないと思いますが、PC内で問題があったときはだいたいCドライブでしょう。個人データならDドライブを疑ってみてください。
で、今回は削除した場所は完璧に分かっているので「場所の指定」の「フォルダー選択」を選んでみます。ディレクトリを直接選べるのはいいですね。無駄なスキャンもしなくていいですし、ユーザビリティ的にも好感が持てます。
するとフォルダの選択になるので、
「sample」を選択して「OK」をクリック。
フォルダの名前が変わったのを確認したら「スキャン」ボタンを押してスキャン開始。
スキャン~データ復元
と思ったらあれれ。
どうやらCドライブ全体でスキャンが進んでいる様子?
でもたしかに選択した「sample」フォルダまでのディレクトリはオープンになっていて、なんとなくフォーカスされているようです。
「sample」フォルダを覗いてみると、削除した5つのファイル名も確認できたのでここで一旦一時停止とします。
該当フォルダ、もしくはファイルにチェックを入れて「リカバリー」ボタンをクリック(今回は「EASEUS~1.PNG」というのも復元してみます)。
リカバリーしたファイルの保存先を訊かれますので選択します。このとき、もとのファイルが存在していたドライブとは違うドライブを選択してください。
今回はDドライブ内に「sample2」というフォルダをつくり、そこへ保存させることとします。
復元の確認
上記表示が出ましたらリカバリー完了です。同時にリカバリー先のディレクトリがエクスプローラーで開かれるので中身を確認しに行きましょう。↓
さてファイルはどうなったかというと…
じゃん!
おお、だいぶ戻っていますね。詳しく確認してみましょう。
僕のプロフィールアイコン(png形式の画像ファイル)
全く問題なく開くことができました。
この記事の作成に使ったスクリーンショット(png形式の画像ファイル)
こちらも問題ありません。素晴らしいです。
個人的なメモを書いていたメモ帳(txt形式のテキストファイル)
これはそのまま開くと文字化けしてしまっていました。
一応文字コードをUTF-8に変更して開き直してみるも同じく文字化けのまま。これは復元失敗というところでしょうか。惜しい!
iPhoneの着信音を耳コピして打ち込んだファイル(wav形式の音声ファイル)
一見見た目は普通ですが、開いてみると…。
正常に再生できず。これも惜しい!
この記事の作成に使ったスクリーンショット2枚目(png形式の画像ファイル)
これは既にアイコンがサムネイルになっていないので怪しそうです。
うーむ、やはりだめでしたかー。開けなければ意味がないとはいえ、でもファイル名とファイル形式までしっかり復元できているだけでも十分すごいと思います。
ちなみにバイナリエディタで中身も見てみましたがやはりオール0です。
同じ条件で削除して復元したほぼ同じファイルと言えるであろうpngでも成功するのとうまくいかないのは何が違うんでしょうね。気になります。
おまけ(削除した5つのファイルではないもの、png形式)
リカバリーによって自動でできちゃうものなのか、はたまた全然違う要因で復元対象になったのか分かりませんが、一応救出したこいつも確認しました。
アイコンが死んでいる通り、結果はcan not openです。まあここは関係ないのでいいですね。
実際に使ってみた感想
さてさて、結果からまとめておきますと、
完全削除したファイルなのにも関わらず5つのファイルのうち2つも完全復活できた
となります。実際、さらに2つ程度は本当に惜しかったですし、さらに別の工夫を凝らせば中身を取り出せる状態に持っていくことも可能かもしれません。
これだけでもこの「EaseUS Data Recovery Wizard」は持っておく価値があると思います!
細かい使用感の意見もリストアップしておきましょう。
- 操作自体が本当に簡単。迷うシーンは1度もなく、使い方で困ることはなさそう
- Cドライブ全体をスキャンしていたとき、それなのにも関わらずかなりスピードは速く残時間も少なかった。スキャンのスピードはかなりのものなのでしょう。
- 削除ディレクトリが判明しているときにフォルダをいきなり選択できるのは便利だが、スキャン自体は制御できない?あの辺りはもう少し詳細な説明があるといいかも
- リカバリー先のディレクトリが深くて辿りに行くのがやや面倒
という感じでしょうか。
まとめ
そんなわけで、EaseUSさんの「EaseUS Data Recovery Wizard」をご紹介しました。今回の実験では僕の環境に依存している部分が少なからずあるので、どなたにも同じだけのものとは言い難いですが、それでも完全削除したファイルをこれだけ復元できるのは素晴らしいと言えます。
ちなみに無料版だけだと計500MB分しか復元できませんが、SNSでシェアするとそれが2GB分にまで増えます。もちろん製品版なら無制限です。
では、この辺で。お読みいただきありがとうございました。