「文字入力」というものにフォーカスがなされるのはいつもPCだけな気がします。しかしスマホでももっと話題に上がってもいいのでは?とよく思っていました。
今回はそんなお話。
僕はスマートフォンがあまり好きではありません。
それは文字入力がやりづらいから。
そこでストレスを感じるのが嫌で、とにかく「なんとかして文字を打たない操作方法はないか」とかいつも考えちゃうくらいです。いまだにガラケーの物理ボタンが最強だと思っているレベルです。
スマホ+スライドケータイで物理ボタンとか、出ないかな…。
そうは言ってもスマホで文字を打たなければいけないシーンはなくせないので、どうやったら少しでも速く、そして確実に文字を入力できるかを考えました。
あまり新しいことは言えないですが、改めて記録しておきます。
スマホでの文字入力精度を上げる3つの方法
ここに至るまでには色んな実験をしてきているんですが、今回は3つにまとめました。
いくらこのブログとはいえ、自分だけの環境/条件でしか有用じゃないものを説明するのはさすがに憚られるので…。
1.キーボード(文字パレット)を片手で操作できる範囲に収める
「無理に親指を伸ばしながら打つのではなく、人間工学的に楽なフォームを心がけよう」というもの。
この話にはいくつか前提条件があります。
- 普段から片手打ちである(特に親指)
- 使っている文字入力アプリ(IME)にキーボードサイズ・位置の可変機能が必要
- 文字入力精度だけに全フリするなら横幅いっぱいまで広く取った方がいいこともある
という感じ。
まず、「片手の範囲内に収めよう」と言っているのだから普段から片手打ちをしていることが前提になるのは当然です。おそらくこのブログの読者層であるみなさんなら多くが該当するかと。
ちなみに右利き/左利きは問わないです(僕は左利きなので左側に寄ってます)。
次に「文字入力アプリ(IME)の対応が必要」について。
みなさんが普段文字を打つときにフリックしている「アイツ」は、実はそれもある1つのアプリによって機能しているものです。
PCでも「ATOK」とか「Google日本語入力」といったソフトがあるんですが、聞いたことはありませんか?
それと同じものがスマホアプリでもたくさん用意されています。
昔は文字入力アプリの変更はAndroidしかできなかったのですが(僕はそれでAndroidを使い始めた)、今ではATOKがiOS版でリリースされたりとその対応の幅はどんどん広がっています。
ここで、各スマホOSとキーボード(文字入力アプリ)について簡単にまとめておきます。
OS | キーボードサイズ・位置の可変 | |||
標準IME | 代表的な代替アプリ | |||
Google日本語入力 / Gboard | ATOK | Simeji | ||
iOS | ◯ | ◯ ※iOSはGboardのみ |
◯ | ◯ |
Android | 端末による | ◯ | ◯ | ◯ |
今ではほとんどその垣根はないと言えるでしょう。今回の話に限らず文字入力アプリを変えるとスマホの使用感は劇的に良くなるので、まだ純正キーボードしか使ったことがない方はこの機会にぜひ。
Androidの方は、Google日本語入力とGboardの違いについて悩む必要は99%ないです。前者でいいと思います。→違った…。この記事をどうぞ。
前置きが長くなりました。
で。
「それら文字入力アプリの設定を利用して、自分の親指の可動範囲にちょうどフリック領域が来るようにセッティングしよう」というのが今回の趣旨です。
さっきから何度もお見せしてますが、例えばこう。
さらなる例として、ATOKならさらに詳細なカスタマイズも可能。
そのまま最後3つめの前提の話へ続きますが、「文字入力精度だけに全フリするなら横幅いっぱいまで広く取った方がいいこともある」について、これは言葉通り親指の可動範囲に収めることを優先しすぎると1マスずつが小さくなりすぎて誤タッチを招くということです。
例えばさっきのATOK配置で、より可動域を狭くしたキーボードで生活していた時期がありましたがあり得ないくらいの入力ミス率でした。
個人差はあると思いますが、これを回避するために次の案も組み合わせます。
2.フリックしたときに変わる色を見やすくする
これは最近の発見です。
キーボードの ある行(子音?)をタッチしたままフリックし続けるとこのように現在選択中のマスの色が変わりますが、これを他のマスと差異が強い色にすることで驚くほど入力精度が上がります。
例えば、あるとき見栄えの趣味優先でこんなデザイン設定にしていました。
僕はなんでも黒くしたい人なので「当然文字パレットも」+「ちょっと良い差し色を」とか思ったわけですが、これはフリック時の選択色が
こういう感じです。とても分かりづらい。
まわりの人にも協力してもらって色々実験した結果分かったことなんですが、どうやら僕ら人間はスマホの文字入力中にかなり手元を見ているようなんですよね。その正確性を逐一確認しながら入力している感じ。
なので、この「触っている場所が正しいか無意識的に確かめられる」というのは想像以上に効果があります。
友人のiPhoneを触らせてもらったとき、あんなに簡素でサイズ調整もできないキーボードのくせに妙に文字入力がしやすいなと感じたことがあったんですが、その正体はたぶんこの「色問題」です。
白地に青、というコントラストが視認性を上げていますね。
今の設定が同系色同士になってしまっている方はぜひ変えてみてください。個人差があるのかも含めて、意見を聞けたらとても嬉しいです。
3.フリック感度をこれでもかというくらい調整する
最後はダメ押し。
ここまで色々自分好みのセッティングをした上で、最終段階として入力感度/フリック感度の調整をします。
これはGoogle日本語入力の例。19段階から選べます。
こっちはATOKで、100段階。とにかく設定に関してはほぼ全てでATOKが抜きん出ています。あとは予測変換をGoogleと組み合わせられれば間違いなく世界最強のキーボードなのだけど…。
ここでの数値選択のコツは、極力高い値を目指しつつ、実際に打って確認しながら少しずつ下げていくこと。
スピード重視&操作性重視&正確性重視なので、基本的にはフリックの感度は高い方がいいはずです。少しの動作で確実に検知してほしい訳なので。
つまりこの3つは共存するはずです。
しかし当然そううまくはいかなくて、例えば感度MAXにしようものなら「あ行」の選択は至難の業になります。
というわけで、現実的な範囲になるように少しずつ下げていきます。ここはもう設定を繰り返すしかないでしょう。
僕の上記それぞれの入力感度も、だいたい割合的に同じ程度の値になっているのが分かると思います。
ここまでやると、かなりスマホの文字入力が心地よくなるはず!
おわりに
冒頭でも言ったんですけど、「物理キー最強説」はわりとマジで思ってます。特に僕は「2タッチ入力」という方式で打っていたので、入力スピードもフリックに匹敵します。しかも一切手元見なくていい&打ち間違いはほぼゼロ。
しかしそんなものは今後現れないでしょう。スマホをバリバリ使う世代自体が物理キーの経験がない=需要が落ちるわけですし、実際に物理ボタンの老舗スマホだったBlackBerryも販売を終了させたみたいだし…。
フリック入力とは今後もうまく付き合っていく必要がありそうです。