僕の中でのカービィの原点はスーパーデラックスにあるかもしれない

僕の中でのカービィの原点はスーパーデラックスにあるかもしれない
みるみ

カービィといったら、という作品はけっこう票が割れると思うんだけれど、僕はというと意外にもスーパーデラックスなんじゃないかと最近思うようになった。意外にもっていうのは、自分としてはぼんやりと「夢の泉」じゃないかなーって思っていたから。

なんでこうなったのかを考えるついでに、このゲームを振り返ってみようと思う。

それと、この記事のサムネイルに悪意はない。(嘘

原点ってなんだろう

まず、なんで今になってカービィの原点はなんだろうなんて思ったかって話。

こんな記事を書いた。

なんとなく思い出す昔のカービィはいつもスパデラの風景ばっかりで、思い出もかなり鮮明に覚えていた。夢の泉とどっちを先にやったかは…定かではない。先にやってたのなら第一印象は強いはずだし、後だったらより近い記憶なわけで、どっちでもあんまり関係ないのかもしれない。

上で紹介した記事は簡単に言うと「最近のカービィは過去の作品に捕らわれていやしないか」というようなことを書いている。で、この「過去の作品」っていうのはなにを起点にして自分では考えているんだろうと思ったときに、ほとんどの枝はスパデラから生えていた。無意識に僕のカービィシリーズの中心はこの作品になっていたのだ。

カービィシリーズの中での立場

スーパーデラックスっていうネーミングに特に意味があるのかないのかは知らないけれど、僕が持つこの言葉のイメージとしては、色々なものがぎゅーっと詰まっているような感じ。
実際色んなゲームモードを詰め込んだような感じだし、魅力も同じくらい詰まっていると思っている。

改めて考えてみると、カービィの基本的システムである横スクロールっていうルールを踏襲しながら色々なことを試している作品って他にないのでは?

純粋なカービィははるかぜとともにとかダイナブレイドで遊べるし、いわゆる宝探し(これだとほんとに宝探しだからいわゆるもくそもないんだけどw)もできるし、ストーリーチックなカービィも味わえて、最後には好きなコピー能力を選んでいけるような夢のようなモードもある。

いいよねえ。しかもなにより2人で遊べる楽しさといったら!!これについてはあとで書く。

あと忘れちゃいけない、グルメレース。というか僕はスパデラのメインはグルメレースだと勝手に思っている。超やりましたとも!必死こいて「これが世界記録だ…」とか内心で思った何年もあとに、インターネットというものに触れて数々のプレイ動画を見て呆然としたりしていた。今度はそのTASをなんとかマネしてみようと練習したりもした。
ふたつめのステージでBGMの2週目以降があることを自分自身のプレイで発見できた人は少ないんじゃないだろうか。僕はその1人だ!!

まあそんなのはどうでもいいんだけど、このグルメレースのサントラも今では色んなところで聞くようになったアレンジの本家大元なわけで、枝の中心にいる大きな要因のひとつなわけだ。

桜井さんがデザインしたゲームにありがちな、あのよく見るメインメニュー画面。この始まりもスパデラだ。あれ、これより先になんかそれっぽいのあります?僕が知らないだけかな。間違っていたらご教授ください。
今のカービィもスマブラもだいたいあんな感じだし、刹那の見切りとか他のキャラクターで遊べるモードみたいなミニゲームのノリが始まったのもここからだ。

書いてて気付くいつものパターンなんだけど、これは単純に今定着しているカービィが近い形で初めて完成したのがスパデラだったんだろう。そういうわけで、やっぱりこれは記念碑的な作品であることに間違いはなかった、ということにしておこう。

カービィの原点だし僕のゲームプレイの原点でもある

ちょっと大それた見出しになっちゃったけど、実はこれには具体的な話がいくつかある。ちょっとした思い出に近いかも。

探索の基本スタイル

このゲームにはみなさんご存知の洞窟大作戦っていうモードがある。いつもみたいに一方通行じゃない循環したマップの中を、散りばめられた60個の宝物を探しながら進んでいくっていうあれ。まずこの時点で鏡の大迷宮を彷彿とさせるじゃん?とか言おうとしたらこちらの方が発売は8年も後だったいうオチ。なんか昔すぎて時間の前後関係がちょっと信じられませんね。

まずさ、このマップが色んなところで繋がっているっていうのがすごく好きなんだ。実際にその辺りを探索してるリアリティがあって、とってもロマンを感じません?笑

それと、この洞窟大作戦のメインテーマにもなっている音楽がまたすごく特徴的。実はちょっと怪しいあの冒険チックな雰囲気は、「微分音」というものによって実現されている。詳しく知りたい方はご自分でググってもらうとして(※記事書きました!)

で、そういう雰囲気の中見えているのに取れない宝箱がそこかしこにあったり、自分でも何をしたか分からないのに、気付いたら今まで行けなかったところに行けてたりっていう僕が思う「ゲーム」とはこういうもの!っていう楽しさ(マリオRPGの記事でもこの楽しさの話をしている)がこのモードには溢れていたわけ。背景にまぎれた扉とか、コピー能力の応用・組み合わせとか、最高にイケてた。

最初にひとりでプレイしたとき見つけられた宝物は20個くらいだったように思う。って書いて、今の自分が初見プレイでいくつ見つけられるかすごく興味あるなと思った。

当時、1周クリアするたびに見つかった宝物がどんどん増えていくのが楽しくて楽しくてたまらなかった。「攻略法を調べなくても楽しめるぎりぎりの範囲で遊び続けられる」数少ないゲームだったと今でも思っている。たとえば最近のゲームだと、集められる物が多かったりすると取り逃したくない一心からどうしてもエリア毎の最大数とかは調べちゃったりする。「チャンスは1度しかない」やつとかほんとにやめて?

結局このゲーム(というかまあカービィ全体なんだけど)のおかげでかなり疑心暗鬼になり、横スクロールゲームなら画面が変わったらまず左端まで行くとか、マップは端まで全部埋めるとか、行き止まりは徹底的に調べる、みたいなゲーム全般に必要不可欠なスキルを強制的に身に付けさせられた。

…はずなのに、「銀河に願いを」のモードでなんとなくボタンを連打しながら星間移動していたら見たこともないマップに入れたときは「そんなのまであるのか…」と半ば呆れてしまったw

最後は57個でずっと止まってて、 しんぴの楽園エリアの水道の下の「アミュレット」と、古代の塔エリアから行ける「つきのうきふね」と「たいようのゆびわ」だった。今でも忘れない。「ファルシオン」とかも強敵だったねえ。

今改めて振り返ると、やっぱり「ゲーム」としてエンタテインメント性がぎゅっと詰まった遊びだったと思う。そういった意味でも原点にいると言えるんじゃないかな。

2人で遊ぶ

スパデラの楽しさといったらなんといってもこれだろう。
複数人で遊べるものはまあまあ増えたけど、僕の中ではスパデラがダントツだった。あ、カービィWiiの手裏剣のやつは肩を並べられるかもw

なんていうか、まず2人プレイのシステムがぶっ飛んでる。

2Pはヘルパーという名の下、見つけた相手のコピー能力を好きなだけ持って行ける。タッグという盗人の敵キャラ通りの感じ。これだけならまだしも、場外落下なしで、壁に挟まれようがHPが0になろうが死なないし、あげくの果てには疲れたら1Pの後ろにずっと隠れていられる機能つき。ボンカースの「ハンマー投げ」とか永遠にできたなあ。

「この1Pと2Pの不平等さ」が楽しさのミソだと思う。役割を明確に区別できるんだよね。もちろん2人がどっちのなにを担当してもいいっていうのもおもしろいけど、役割分担されてると「お前は先行って死ね(直球」みたいな、リアルの世界での会話に幅が出る(?)。

このゲームにおいて、実働部隊であることを考えると技術的に上手い人に2Pをやらせた方が良いけど、実はカービィの操作にも相手を気遣うプレイが必要で、性格の棲み分けもすごくうまくできてる。さっきの洞窟大作戦みたいのをさらに楽しくさせるいいスパイスだ。事実、上で言った「宝物をどんどん見つけていく」楽しさは2人でプレイしているときに一番味わっていた。でも正直、当時はもしこれ1人だったらどうやんの?っていうのもいくつかあった気がする。もちろんちゃんとできるのだろうけど。

2人で遊んだときの楽しさが、1人で遊んだときの何倍にもおもしろくなるようなゲーム作りはとっても難しいと思っている。複数人ですんごく楽しいゲームって結構数少ないのでは?スマブラみたいなもともと友達と遊ぶことを想定してるゲームはまた別としても。
あ、エアライドを思いついた、と思ったらなんとまあカービィシリーズだったw

だから僕にとってこのゲームは、「2人で遊ぶことの原点」でもあったんじゃないかな?って話。

音楽

さっきまでの話とは違って、これはカービィシリーズの中での「原点」のこと。

はやい話、単純にスパデラ発祥で以降ずっとアレンジに使われている曲がすごく多い。まあ代表的なので言うとまず「グルメレース」、「メタナイト関連」、「ボス戦闘系」とか。これだけでもすごいけど、あとはステージ系でアレンジされたのだと「ピーナツ平野」とか「ココア洞窟」とか「キャンディ山」とかかな。
洞窟大作戦のセーブポイントの音楽なんて、スマブラ含めたらいったい何曲アレンジされてるんだろうか。

もうこれだけで十分シリーズの中心にあるといえる。ただでさえ音楽の力は大きいから、こんなに数が多いと「今のカービィって辿っていくと全部スパデラに行き着くなあ」っていう印象を感じてもおかしくはない。

最近のシリーズからやり始めた子供たちからしたら、原曲はこんなんだったのか!がてんこ盛りなのだろう。まあどの世代にも起こることではありますが…。

ゲーム内でのサントラ構成

カービィには名曲が多いなんてよく言われますが、一般的に言われる曲で圧倒的に多いのがラスボス戦闘系。たぶん意識して力入れているんでしょう。僕も他の人と同じように、好きな曲多いです。

この「ラスボス本気作曲」自体は別にスパデラからとも思っていないんだけれど、スタッフロールもセットで素晴らしい曲が待っている、っていうのはスパデラからかなと思っている。具体的に言うとマルク戦と銀河に願いをのセット。
カービィにはたくさん曲数ありますが、僕がたぶん一番好きなのがこの「銀河に願いを」。なんというか、もう素晴らしい。感想書けない。(書け

でも実はいつも聴いているのは原曲ではなくて、星のカービィUSDXのサントラに収録されている公式アレンジの方。ゆったりとしたイメージの(実際にはテンポはほとんど変わらないけど)オーケストラアレンジ。これがなんとも良いサウンドなのである。解説にはこうある。

「打ち込み」のオーケストラ曲では、「打ち込みならではの要素」をまず考え、本物を目指さないように作ることにしています。でないと本物に勝てるわけがありませんから。 この曲で「ニセモノならではの良さ」を楽しんでいただけたら幸いです。 (安藤浩和)

まったくその通りで、よくある残念な感じのオケアレンジとは程遠い、素晴らしい出来上がりとなってます。

まとめ

なんでこのスーパーデラックスがカービィの原点といえるのかってことを色んなところから考えてみた。
と同時に、どれほど楽しんで遊んでいた素晴らしいゲームだったのかを振り返ることが出来て僕も楽しかった。

今はさっきからも話に出ているウルトラスーパーデラックスっていうDSリメイクもあるし、WiiでもWii Uでもバーチャルコンソールがあるので、スーファミがおだぶつになっている方は久しぶりに遊んでみては!

それでは今回はこんな感じで。

みるみ
みるみ

ブロガー、ソフトウェアエンジニア。

1 歳でコントローラーを持つ。ここ数年はインディーズゲームにお熱。

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