体外離脱後の世界のイメージを頑張って言語化してみる

体外離脱後の世界のイメージを頑張って言語化してみる
みるみ

「体外離脱」や「幽体離脱」というワードを知ってネットで検索などをした結果なのか、僕のブログの当カテゴリを読みに来てくださる方が驚くほど増えてきました。正直ビビってます。

昔から色んなところで体外離脱や明晰夢に関する知見を発信してはいるのですが、そこで書いていた内容はどれも

  • やり方
  • コツ

みたいな「どうやるか」の側面のものがほとんどでした。もちろん「概要」も出来うる限りオカルトにならないよう理論的に説明しているつもりではあるんですけど。

そんなわけで、「何が起きてどう楽しめるのか」みたいな話をほとんどしていなかったことに気付いたので今回この記事を書いてみるに至っています。どんなものでも経験者の方が視野が狭くなってしまって入門者が欲する情報に気づくのが難しくなったりしますよね。

みるみ
みるみ

ちなみに本件も読者さんからのリクエストがもとになってます…!

そんなわけで、あまり価値が出るかどうかはわからないんですが「体外離脱後の世界ってどんなんなのよ?」というのの言語化に挑戦してみる。

まずはざっくりイメージ

まずは「体外離脱1回目~数回目」くらいについて書いてみます。

これは 体外離脱のメイン記事 の最後の方にちょろっと紹介した通りで、イメージ的には下記のイラストがかなりイイ線いってます。

bed-room-moyamoya

最初は色がない可能性もあるので、こうなっているかもしれません。

bed-room-moyamoya-grayscale

キーワードとして

  • もやもや
  • ふわっと
  • ブワー

みたいな言葉の印象が強かったと思います。

実際のところどの経験者に聞いても最初の方の体験談やイメージ像はこんな感じなので、わりと間違っていないと思います。十中八九みなさんも最初はこんな感じでしょう。

以下、いくつかの項目に分けてもう少し説明してみます。

自分の意識

最初は普通の夢なのか体外離脱に成功したのかはおろか、現実との区別もつかないはずです。

みなさんの(おそらくの)イメージとは違い、離脱に成功して抜けるときはあっさりポロッと行くので「気付くと離脱している」みたいになります。

初回はまず間違いなく自分のベッドから起き上がるところから始まるはずなので、普通に起きて活動しているのと錯覚すると思います。というか「錯覚する」という自覚すら持てないわけなので「あれ、今ひょっとして成功してた…?」とあとから気付く感じになると思います。

これ自体はまたややこしい問題で、というのも初の離脱成功後に目覚めたとき、今度は「それが本当に体外離脱だったのか単なるリアルな夢だったのかが分からない」という話にもなります。

これを簡単に確かめる方法は、2回目を成功させるがおすすめです。パワー理論だけどw

次に成功したときに何をするかを決めておいて、「あれ?今いけてる?」と認識したらすぐさまその行動を行うように刷り込んでおきます。体脱に成功しているみなさんならこれくらいはもう造作もないことでしょう。

僕は「ベッドの近くにあるタンスの角を触る」ことを習慣としており、離脱に成功したあとは確実にこれを行っています。ルーティーンに近い。

この作業を行うことで「今は離脱中だ」と脳にも認識させられるようになり、それと同時に以降の「自覚」を確実なものにしてくれます。

決める動作は触覚を伴うものがおすすめです。最も簡単な五感認識であると同時に、行為として自然なのでどんな人でもこれを体験できるようにストーリーを用意できるでしょう。

そんなわけで、たぶん最初のうちは離脱後に自由に動くのは(必然的に)無理です。

なんとなく夢を見ているような気分で自分がいつも行う動作に自然と遷移するでしょう。例えばトイレに行く、冷蔵庫をあける、ソファに座る、などです。

ただここで異変に気付くはず。

異常なまでに自分の意識と五感がはっきりしていることでしょう。

はじめのうちはもやもやしているとは言いましたが、それでも普通の夢とは別物です。だって実際にあなたの脳が起きている状態で本当に感じている感覚なんだもの。

ベッドから起き上がって数歩歩いたところで足の裏にいつもと全く同じ感触があり、冷蔵庫を開ければひんやりさと同時に開閉音が聞こえ、ソファに座れば沈み込む感覚があなたを包むでしょう。

これくらいはたぶん初回でも全然体験できます。「そのとき成功していると自覚できているかは別」だけどね。

ただ、自覚の有無は別としても家の中のあまり普段視線をやらないような場所に意識を向けようとするとたぶん瞬時に崩れると思います。

「崩れる」とはいくつかの意味を指しますが、概ね以下のような感じ。

  • 目が覚める
  • 以降普通の睡眠に戻り、次に気付くのは起床後
  • 世界がボワーっと消えて普通の夢に突入する(=つまり覚醒度が下がっていく状態)

いずれにしても「離脱が終わる」というのは変わりません。

たぶん一番多いのは目が覚める系で、次点で残りの2つといった感じ。後者は同じように見えますが、その後にそのまま夢が続いているかで状況が大別されます。その場合は意識が継続しているのでまた離脱に戻ってこれる可能性が高いです。この辺は普段の訓練によって何が起きるかだいぶ変わりますね。

自分の感覚

五感について。

これも他の記事で何度か書いていますが、同じ五感の中でもその感じやすさのレベルは大きく差があります。以下の順で感じるのが簡単です。

  • 視覚(これは既に全員クリアしてますね)
  • 触覚(さっきのルーティーンの話のようにこれも誰でも簡単なはずです)
  • 聴覚(やや個人差あり、だいたい聞こえる)
  • 味覚(初期状態だとたぶん無理、何度か食物を口にすると得意なものは分かるようになってくる)
  • 嗅覚(クソむずい、僕もこれまでなんとなくの匂いを数回くらいしか経験したことがない)

という感じ。

聴覚まではほぼ初回から感じられるに近いので、体外離脱ができるようになった時点で普通の世界と同じような感覚は保てます。

ただしいくらリアルといっても普段と同じ意識の鮮明度と視界のクリアさまでは期待しない方がいいです。

僕ですらここまでいってないです。

例えば、PCのキーボードぐらいは視線を落としても世界は崩れないしキーひとつひとつも認識できますが、画面上に写っているものを見ようとするとかなり不安定になります。何が写っているか想像しないといけない義務感に駆られて覚醒度が上がってしまう上に、写る文字などが細かすぎるせいで「感覚集中のワナ」にハマるからです。

「感覚集中のワナ」とは今テキトーに考えた言葉なのですが、「ある一点を見つめたり感じようとしたりするとそこから世界が崩壊していく現象」です。

これは体外離脱に至る過程で瞑想やビジュアライゼーションをやってきた方ならよく知っているはず。「誰かの顔を思い出そうと強く想起すると逆にどんどん映像が消えていくアレ」です。

なので最初のうちは細かいものは見ないようにおおらかな気持ちで楽しむとよいでしょう。どうせやりたいことは自宅の中にはないでしょうし、外の世界を広く見つめる方が色々いいはず。

 

聴覚ですが、これはたぶん普段の夢でも感じている人は多いはずです。

ただひとつ違いを挙げるとするなら、「聞こえているように感じる」ではなく明確に「聞こえる」はずです。

普段の夢では「音楽を認識できる」、「あとから思い返してみると◯◯のような音声だった」のような感じだと思いますが、離脱中の音声はマジで聞こえます。これは音楽に対して敏感だったりする人はより顕著でしょうし、それに比例して自分の感動も大きくなるのでなかなかの素敵ポイントです。僕は楽器を長年やってきたこともあり、離脱中に合奏することももちろんできます。

感覚集中のワナは聞こえているものに対してはそこまで過敏にならなくていいですが、「聞こうとする」ことはやはり注意が必要です。

特に音楽ではなく誰かの発話に意識を向けちゃうと目が覚める経験が多かったです。そもそもその人がなんと言っているかをまず自分で制御できるようになるのが先な気がしますね。思い返すと僕はこれあんまりうまくないな…。

 

味覚と嗅覚についても触れておきます。

単純に夢の中でこれらの感覚を得るのが高難易度なのは下記のような論文にある通りなんですが(僕は離脱中は苦手ですけど明晰夢や普通の夢ではわりとよく体験できます)。

夢の研究者として知られるインゲ・シュタルフ博士(Inge Strauch)ら3名による研究「睡眠の心理学 (1966年)」に拠ると、私たちほぼ全員の夢は視覚に支配され、40〜60%が聴覚を、動きと触覚は15〜30%、嗅覚を感じたのはわずか1%以下という結果が明らかになった 

Psychobiology of Altered States of Consciousness.

それだけに飽き足らずこれらの感覚を意識しようとするシーンはたいてい感覚集中のワナにハマってしまうケースになるのが問題なんですよね。

例えば、僕が初めて味覚を体験できたのはソフトクリームだったのですが(初の味覚だったので強烈な印象として記憶に残っている)、このソフトクリームを継続して味わおうとすると嫌でもこのソフトクリームを見つめつつ何度もペロペロすることになります。

もう分かりますね。見るだけでも厳しいのに、同じ対象物に複数の感覚を同時に向けるなど相当の難易度です。僕もいまだ上達を見ていません…。

五感は以上のような感じでーす!

慣れてくると…

で、これまで書いたような離脱を何度か繰り返してくると、下記のような変化が訪れてくるはず。

  • 離脱成功後に頭がスッキリしている
  • 世界の色と輪郭がハッキリしてくる
  • 普段の日常と同じ意識で活動できるようになってくる(次なにしようかなーみたいな)

ここまで来れるとあなたは十分に体外離脱中級者といってよいでしょう。残念ながらその上に天井が見えないくらい階級があるんですが。

たぶんここに至るまでに自分で試しているはずですが、自分のベッドからスタートしてまずは家の外に出てみることをゴールにしてみるとよいです。

玄関のドアを開けると何が起きるかはケースバイケースですが、最も確率が高いのは普通に自分の家の外の景色が見える、でしょう。

ただし歩いていくとどんどん世界が変わっていってしまうので、これを保てるか、もしくは別の世界に切り替えられるかは自分の訓練度合いによります。自意識への認知度や覚醒度のコントロールがここでめちゃめちゃ活きてくるわけですね。

たしか僕は一番最初に外に出たら、玄関はいつも通りだったんだけど階段を下ったら草原に出ちゃったんだよな。そのRPGみたいな草原をひたすら走ってたらなんか目が覚めた…とかだった気がします。あとはよく車の運転とかやってました。リアルすぎて今でも怖い。笑

このくらいのレベル感での体験談って僕もほとんど聞いたことがないので、「初級者からはちょっと脱せたかなー」の方は色んな話聞かせてほしいです!

上級者すぎる人の話は全然参考にならんので、色々語り合いたい…というのが密かな願いです。笑

みるみ
みるみ

書いて思ったけどだから自分も初心者の人が分かるような記事を書かないといけないわけですよねー。身をもって痛感してたわけだーー。

おわりに

体系的に情報をまとめるような記事はこれまでよく書いてきましたが、筆の勢いのままひたすら体験したことを書く…!みたいなのは初めてだったかもしれません。

最後でも言いましたが、こういうリアルな体験談みたいのがなんでも一番参考になる気が僕はすごいしていて、そういうのになれたらいいなーと思って書きました。参考になれたかは分かりませんが、僕も色々言語化できてスッキリできたのでよしとしましょう。

初めて体脱ができるようになった方はそのときのフレッシュな感想をぜひ聞かせてほしいですし、中級者以上の方もこの粒度での体験談とかぜひ教えてほしいです。コメントどしどしくださいー!!

みるみ
みるみ

ブロガー、ソフトウェアエンジニア。

趣味で夢や睡眠の研究をしている人。体外離脱が得意です。

この記事へのコメント

離脱が成功したら「気づいたらそこにいる」って感じですか?

うーん難しいですね。
「いつも通り起床した」というほうが近い気がします。

この記事の本文中にも書いてある通り、初回はたぶんすぐに離脱の成功に気づけないので普段どおりの行動をしちゃうでしょう。それこそトイレ行くみたいな。
人によっては「あれ、これなんか違くね…?」くらいは気づけるかもしれません。

ありがとうございます!

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