最近のこと: 2

最近のこと: 2
みるみ

ここ最近ブログはおろか X でも全く発信をしていませんでした。死んだと思われてそうなコメントも何度か受け取ったりしていて、そういうものについては個別にお返事を差し上げたりしていたものの、こうやってちゃんと自分の言葉でアウトプットするのはかなり久しぶりです。

今回なんとかブログを書くに至れたのは、どうしてこういう状況になっていたのかという話をどこかでまとめておきたいと思っていたこと、年末に何も書かないという経験したことのない気持ち悪さを回避したいということ、こういう作業ができるいろいろな余裕がちょうど出始めたところだった、などが理由として挙げられます。依然としてこの古代遺物みたいなブログを読んでくれている人へ申し訳ない気持ちがあったというのもかなりある。

この「最近のこと」シリーズだけでいっても、なんと前回から 1 年以上が経過しています。薄々わかってはいたことだがここまで更新頻度が下がるとは思っていなかったです。まあそれは今回書こうと思っている出来事があったからではあるのだけれど。1 で終わらず 2 が出ただけでえらいのです。

引っ張るほどの話ではなくなんならとてもアホみたいな話なのですが、よければお付き合いください。それ以外の話についても少し書いてあります。

ここ最近なにが起きていたか

前回の記事でもクリプト(暗号資産)について多くの言及があったと思うのだけど、自分の本業もこの業界になったということもあって、さらにどっぷりと浸かる一年になりました。

トレードも盛んでした。年の前半では市場も大きく味方してくれたこともあり、なんと家が何軒か買えてしまう程度の利益が出ました。しかし改めて振り返ってみるとこのときは僕も状況を客観的に理解できていなかったと思っていて、これまで庶民として普通に歩んできた人生からすると全く認識できない意味不明な数字でした。それこそ夢見心地な気分とはこういうことをいうのだろう。

長くこのブログを読んでくれている方にはもう展開が読めてきたと思います。

その認識の甘さもあったのか、正常な判断力を失ってしまっていた僕は精度の低いトレードを何回か繰り返し、かつ焦ってレベルの低いミスをしたことなども重なって、それまでに得た利益はおろか自分がもともと持っていたほぼすべての資産ごと失ってしまいました。実際に大金を失った最後の回のことはいまでもよく覚えていて(たぶん一生忘れない)、いまでも記憶をトレースすると吐き気がしてきます。当日は頭が真っ白になったのでとりあえず仕事を急遽休み(笑)、しばらく食べ物も喉を通らない日々を過ごしました。

死んでも手を付けまいとしてた最後の生活防衛資金は日本円で銀行口座に置いていたため、すぐに生活に困ることはないという事実だけが僕の精神をかろうじて保ってくれました(さすがに会社員の給料だけで毎月の生活が黒字であるようにはしていました)。この考え方はトレードどうこうではなく昔から実践していたものですが、まさか本当に命を救ってくれるものになるとは思いませんでした。金融に興味がない方も、自分が簡単には手を付けられないところに資産を保持しておくというのは積極的な検討をおすすめします(その資産を利用するために手間がかかればかかるほどよい)。

ここまで読んだみなさんは例外なくこう思うでしょう。「やっぱり暗号資産って危ないんだな。それにトレードなんてやっぱり全員負けるようになってるわけでしょ、勝てるのは運が良いほんの 0.001% の人だけだ。そんなのに手を出したお前がバカなだけじゃん、アホくさ」と。僕もそう思います。ぐうの音も出ない。実際、これ以降半年程度はただじっと毎日を生きる、という感じでした。

しかし、これは人生でも大きな気づきになったと感じているのですが、時間というのはあらゆる傷を回復してくれるもののようです。意識してこのことを思い出さないように生活をしてさえいれば、毎日の生活が脅かされるわけではなかったし、わりと普通の精神状態に戻ることはできました。プライベートのことを考えないようにした結果がむしゃらに仕事をしたのでかなり大きな成果を出せたのですが、これもいま思えばラッキーだったかもしれません。

この状況は、トレード業界ではいわゆる「退場」というやつでした。もちろんそれ以降一切トレードはしなかったし(資金もないので当然だけど)、地道に働きながら残った僅かな資産をどうやったらちょっとずつ増やせるか…というのを考えるのみに留まりました。

ところがこのあたりでいくつかの転機が訪れます。

何度か書いているように、僕はクリプトを使った bot をつくるのが好きでした。安定して利益を出せるものをつくれた試しは一度もなかったですが、今回の事件を機に「利益は極小だが絶対に損失が出ない取引を大量に繰り返すタイプ」について初めて考えるようになり、思いついたアイデアを片っ端から試すようになりました。これは現在進行系で続いているのだけど、ようやくいま一番よい形に近づいており、地合いさえマッチすればかなり高い利益率で収益が出る状態になっています。これは大きな失敗を経なかったら絶対に辿り着けなかった領域だし、「もう自分の人生をもとに戻すには死ぬ気でこれを成功させるしかない」という強い気持ちが実を結んだのは本当にカタルシスを感じます。

また、あるときいきなり数百万円のお金が振ってくるイベントがありました。これは一般の方には「いよいよ頭打ったか?」と思われる案件な気がしますが、クリプト界では文字通り「エアドロップ」という「特定の頑張りがあった人にご褒美でお金あげちゃうかもよ」みたいのがよくあります。僕は資産がたくさんあったときに調子に乗っていろいろなところでこれらの活動を行っていたため、忘れたころにそのときのご褒美が振ってきたという形です。
(昔ならここで「おすすめのエアドロは~」などとアフィやリファのリンクを貼ったかもしれないがもちろん自重する)

このご褒美はそれぞれの暗号資産そのものとして配布されるので、ドルや円に換金したい場合はどこかで売却する必要があります。このとき、当然なんらかの取引画面を開いてチャートを見ながら操作するわけですね。そう、トレードとは言わないまでも、本当に久しぶりの取引体験でした。チャートを開いて注文を出し、そしてそれが約定されるのを見届ける…!このとき、最近気持ちが前向きになりつつあったのとあわせて自分のエンジンが再び点火したのを感じました。

はい。実は最近トレード再開してます。

これもまたみなさんは「やっぱりこいつアホなんだな」と思うでしょうが、最近の僕は以下のように考えてかなりポジティブな思考になっています:

  • 自分の人生を変えたいくらいのリターンを望むなら、この規模のミスは遅かれ早かれどこかで必要なものだったと思う、なら早いほうがいい
  • そのミス自体はしっかりと反省ノートに記録を残し、毎日見返して同じ轍を踏まないように心がけている
  • この件が自分のトレードスタイルや情報収集スタイルを見直すきっかけになり、最近は明らかに安定度が増した

現時点をスナップショットとして僕の行動を評価した場合、トレードをしなかった未来に比べたら当然お金は減っているので「おバカ」というだけで終了になるのですが、これについて僕は「どこを切り取るかは無限に評価軸がある」と考えていて、つまり「お金があるタイミングで評価したら勝ちとも言える」と思っているんですよね。それでも多くの人がその勝ちを持ち帰れないからこそ「トレードなんてやめとけ」という論調になるわけですが、これは一度人生レベルの負けを見た人間にだけ大きなアドバンテージがあって、引き際をわきまえる精度が桁違いに上がっていると思うのですよね。

「何かを習得したいならとにかく数を繰り返して PDCA しよう」と昔から僕はいろんなところに書いていましたが、やはりこれは真理で、どんなに負けを見てもまた経験を積むことができさえすれば何か見えてくるものがあると思う…というのが最近の心情です。

以前やっていたような脳死プレイは完全に封印できていて、いまのところ得られた失敗の大きさは僕の役に立っているようです。これで「また以前のようなリターンを取り返してやる…!」という気持ちの持ち方をしてしまうとそれこそ本当に目も当てられないけど、こういう思考にも幸い一度もなっていません。実際、安定してトレードでお金を(少しずつ)増やせる感覚を掴めてきていて楽しいです。

というわけでまとめると「負けてました」ってだけなんですが、ギリギリ年を越すまでにメンタルもまともになってきたのでブログも書くか!って感じでした!

生きてりゃなんとかなるもんですね。自分が自分でこういうことを本当に思う日が来るとは夢にも思わなんだ。

継続していたこと

退場して気力がゼロになったので当然 X のポストなんてする気も起きないし、ましてやブログとかいよいよ閉鎖の勢いさえあるかと思われたのですが、漠然と「いつかなんとかなるだろう」とも思っていたのでやめずにいてよかった。事実なんとかなってるっぽいし。

そんなわけで、実はちゃんと継続していたことも年の瀬にちゃんとまとめておく。

  • ブログへのコメント返信
    • (ここ数ヶ月コメント機能が不調だったのですが少し前に修正しました…!)
  • 雑誌への寄稿(とそれのブログへの転載)
  • 筋トレ
  • ゲーム(小声)

こんだけかよって感じではありますが、特に筋トレは継続自体が自分のメンタル維持に貢献してくれていた気がします。筋肉はすべてを救う。

あとひっそりとゲームとか書いてあって、「お前すごい苦労話っぽく書いてるくせにゲームとかやってたのか!?」というツッコミは甘んじて受け入れたいと思いつつ、ちゃんと現実逃避っぽい側面もありました。

例えば GeoGuessr という「ストリートビューから自分の現在位置を当てるゲーム」にドハマリしてしまい、最終的には Master ランクというレート帯(日本国内ランクで 100 位くらいだった)にまで到達しました。プレイに課金も必要なのですが、いま思うとなぜあんなに取り憑かれたように遊んでいたのかよくわかりません(実際に面白かったのは事実です)。まあおかげで地理はもちろん世界史や言語、農作物や建築文化などなど多くのものに興味が持てたのは普通に人生の資産だった気もしています。写真があればだいたい国がわかるという特技もいいネタにはなりそう。

なんかゲームの流れになったのでいつも通りインディーズゲームについても触れておきたいのですが、今年は ANIMAL WELL という一本が個人的ベストオブインディーでした。

この強烈さは僕が史上最高の作品と思っている Celeste を少し思い出させるほどのレベルで、これは今後記憶に残り続けるものになるでしょう。こういうのをね、遊びたいんだよ。

文章を書く作業でいうと、このブログの更新についてはご覧の有り様ですが、雑誌への寄稿と社内での技術ブログはわりと継続できていました。前者は季刊(3 ヶ月に 1 回)なので頻度は低いものの、フリーにネタを決めてわりとコンパクトに、しかし濃密に仕上げるという作業はこれまでのブログ運営とは少し違うものでよい訓練になっています。いまのところ好評らしく嬉しい限りです。

このブログにも転載しているのでよかったら読んでください!

いまだと記事一覧の上のほうにあるサムネがモザイクシリーズのやつがそれです(タグなりカテゴリなりそのうち用意します)。

プログラミングに関しても、当然仕事で恒常的に触れ合っているし前述したように bot の開発もずっとやってはいます。が、以前と違って新しい技術スタックに飛び込んでいくという作業は今年は全くできなかったのが悔しい。なんなら触っているコードベースもずっと同じものなので、つまらなくはないが強い刺激や楽しさは特にないという状況です。この説明があまりピンと来ない方も多いかもしれませんが、楽器で例えると「ずっと同じ曲を練習していると飽きるから他の曲もやりたい、なんならたまには違う楽器も触りたい」みたいな感じです。

ここはやりたいことがちゃんといっぱい溜まっているので、他の諸々が改善されてきたらぜひ取り組みたいところです。

あ、あとそういえば今年入籍しました。特に変わりなく楽しくやっています!

来年やりたいこと

最後に、決意表明も兼ねて来年(以降)にやりたいことをまとめておく。「以降」をつけているのは逃げ道を用意しているということではなく、いまのところ金銭的況の改善が最優先であることに変わりはないからという感じです。

  • 仕事
    • ワークライフバランスを保ちたい(仕事しすぎてしまうことに対してどう折り合いをつけていくかを模索したい)
    • 自分のキャリアプランをそろそろ固めていきたい
  • クリプト
    • 現在の bot を横展開&収益率アップさせていきたい
    • DEX bot をなんかやりたい(上記とも絡むかも)
    • 引き続き裁量トレードのスキルアップに励みたい
  • ブログ
    • 例によってこのブログはしばらくどうこうするつもりはありませんが、いくつか大きめの課題があり、それらをひとつずつ潰していきたい
      • サムネって毎回なくてもいいのでは問題
      • 技術ブログの CMS をどうするか問題
      • あとそのうちダークモード対応します(自分がつらい)
  • 開発系
    • React のキャッチアップをやり直したい
    • PWA で日常利用している自前アプリがあるのだけど、これを React Native で書き直してみたい
      • あといろいろ機能追加したい
    • LLM の API 使ってスマートスピーカーでなんか便利に使えそうなやつを作りたい
  • その他
    • ゲームいっぱいやりたい

というわけで、なんとか今年一年も無事に過ごせました!また来年もお互い頑張っていきましょう!

よいお年を。

みるみ
みるみ

ブロガー、ソフトウェアエンジニア。

この「みるめも」というブログの筆者です。

この記事へのコメント

記事きたぁあーーー!!

よっしゃぁあーーー!!

みるみさんが無事のようで安心しました…!
入籍なさったということで(おめでとうございます!)大変なこともあるかとは思いますが、どうか無理せず頑張ってください!

重ね重ねありがとうございます…!
本当に無理せず、無理せずにがんばっていきます…。笑

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