少し前にスタンディングデスクを買いました。
感想をひとことで言うと「さっさと買えばよかった」なんだけど、何を考えて購入に至ったのか、何を買ってどう使っているか、細かい感想はどうか、みたいな話も含めてまとめていきます。久しぶりにブログらしい記事だ、やったね。
スタンディングデスク導入前の環境
僕の従来のデスク、椅子、キーボード、モニター、それらの配置や高さなどなどは少なくとも 5 年くらいはずっと変わっていなくて、かなり安定していました。
実際にはこれら一式セットがプライベート用と仕事用で 2 セットぶんあって(椅子は 1 つ)、どちらの作業を行うにしても完全に同じ環境になるようにしている。このうち今回スタンディングデスクに変わったのは仕事用のほうです。
それぞれのデスクの上に乗せたいものはわりと差があるので広さ(主に横幅)には差があるのだけど、今回はそこは一旦除外して話します。
スタンディングデスクが欲しかったいくつかの理由
急に肩こりみたいなのがつらくなった
仕事をしているからには基本的に 1 日 8 時間は休みなく机に向かっているわけで、そのうちのけっこうな時間がキーボードに手を乗せているシーンなんですよね。一口に「PC 作業」といっても例えば右手はマウスを操作しているだけで左手はフリー、みたいなシーンは多いわけですが、仕事となるとコミュニケーションもすべてテキストなので必然的に文字入力量が増えます。あとは普通に自分の仕事のアウトプットは基本的にすべてテキストだというのももちろんある。
この状態だと「自分の胸、背中、腕にストレスなく自然に広がっている状態」に対して腕や肩をすぼめるような体勢になっている時間が長くなることになります。

イメージとしてはこんなん(上から見たところ)。赤いところがつらそう。
この状態が肩や首のこりを助長するのは誰の目にも明らかです。
で、これに対する一般的な解決策はおそらく「左右分割キーボードを使え」とかになると思うんだけど、僕がキーボード選択について地獄を味わってきたことはみなさんもよくご存知のことと思います。
いまの僕が新しいキーボード探しの旅に再出発するのは現実的ではなく(いまのメイン機も生産停止にはなってしまったけど新品の在庫ストックはちゃんと買ってあるw)、このあとに書く他の要素も考えたらそもそももっと自然体で作業できる体勢があるのでは?と思い至りました。
むかし仕事をしていたとあるオフィスにかなり高いデスクというか謎の台?みたいのがあって、そこにラップトップを置いて作業していたときすごい快適だった印象がずっと残っていたんですよね。たぶん立っている状態は人間にとってすごく自然なのだろうなという予感はこのときからありました。
ちなみに最近になって急にこの症状を感じるようになった原因は、おそらく以下のような理由からではないかと考えてます:
- 筋トレによって身体がかなりでかくなってきたので、自分にとっての「肩を広げたときの自然体の最低幅」が大きくなったのでは
- 普通に年齢、もしくは仕事しすぎ(2 年前に転職してから働きやすすぎてだいぶハードワークにはなっている)
特にひとつめは次の話にも関連するのでこのまま続ける。
最近の健康志向とマッチ(含む:漠然とした将来への身体的不安)
直近の 1 年くらいは自分の健康への興味がやたら高く、
- 長らく家トレ派だったがジムへ移行(週 2 ~ 3 くらい、ランニング込み)
- なんちゃって適当ヴィーガンを継続している(これは今度別で記事書きます!)
みたいな日常です。
こうなると「一日中座って PC を触っている」という自分を客観視したときのやばそう感が半端ではなく、しばらくこういう仕事を続けるならなんとかするべきだという焦りがありました。
そして昔こんな記事を書いていたことも思い出す:
この記事には既に「そもそも座ってるのがよくない」という元も子もないことが書いてあるのだけど、結果的にそれはそのとおりでした。座り方を気をつけるのなんて限界があり(椅子があれば楽な座り方をしてしまう)、プログラマー界隈の人が腰や肛門を壊したり職業運転手の人が腰を壊したりしているのをこれだけ目撃していると、どう考えても座っているべきではないなという結論になった。
なんとなくかっこよさそうだった
実際に立って仕事をしている人をネット上で何人か知っていたので、その憧れもちょっとあったかも。
買ったもの:FlexiSpot E7H
そんなわけでこれを買う。
FlexiSpot はスタンディングデスクではかなり有名なメーカー。クオリティに対して高すぎない価格でバランスがよい。コスパ!みたいな安物っぽさはなくそこは安心だったけど、一部気になったことはありました(後述)。
最後まで迷っていたのは PREDUCTS のものなんだけど、僕はほしい天板の幅が大きかったので(160cm)、それによって選択の幅は逆に狭まってしまい、そうすると残った選択肢では価格が跳ね上がるので踏み切れなかった。
かつ、PREDUCTS で一番魅力を感じていたモジュールシステムの各パーツは仕事用のデスクではほとんど不要だったことにも気づきました。必要な要素をひとつずつ洗い出した結果、これは少なくとも今回の仕事用のデスクではなしとして、プライベート用のデスクを買うときは再検討してもいいかなという結論です。
あとかなり終盤に気づいたのが、PREDUCTS のフレーム(足)は実は FlexiSpot のものだったんですよね。となると、モジュールが必要だったとしても FlexiSpot で天板含めて調達したあとサードパーティでどうにかするという案もやはり頭をよぎります。まあそれはまたいつか考える。
FlexiSpot はしょっちゅうセールをやっているので、買うかもしれない方はなんらか安くなっているタイミングまで待つといいかも(僕はやらなかったけどメルマガだか LINE 登録だかでクーポンコードがもらえるとかもありそう)。でも Amazon のタイムセールもけっこういい勝負なので公式サイトを使いたくない人はそれでも全然問題なさそう!
天板選び
スタンディングデスクはたいてい、フレームと天板をそれぞれわけて選ぶスタイルになります。フレーム側にはスタンディングデスクとしての機能(自動昇降、剛性、足の形、追加モジュールの有無など)が内包されていて、単に自分のニーズに合った好きなものを選べばよいです。
いっぽうで、僕としては天板のほうが選ぶのが難しいと感じます。
関係する要素は以下でしょうか:
- どの木材、材質にするか(含む:模様、色、手触り、コーティング)
- 横幅(奥行きも多少変わるけど選択肢が多くないのであまり重要にはならない)
- 希望のフレームに対応しているか
僕はそれぞれ以下のような選択でした:
- 材質:メラミン化粧板(ブラック)
- 横幅:160cm
まず横幅 160cm を最低条件としました。僕は基本的に広さは正義だと思っていて、これは家でもデスクでも同じという考えです。乗せるものが多くなかったとしてもです。「モノは少なくしつつ、かつ余白は広くすると人生に余裕が出る」というのはずいぶん昔に気づいて以降、いまでも真理だなと思っています。
デスクの横幅のよくある選択肢としては、どうやら 140cm が「大」に分類されるようで、それ以上の 160cm, 180cm あたりはないものが増えてくるという状況でした。この時点で選べる材質タイプも限定されるので、まずはご自身に必要なデスク幅を決めるのがいいと思います。ちなみに一応言っておくと、たいていの方は 140cm あれば物理的には絶対足りると思います。

僕はモニター 2 枚+開いた MacBook Pro 14 インチがあるだけですが(いまだけ Mac がもう一台ある)、あと 20cm 減ってもたぶん配置すら変えなくても大丈夫そう。あと、いまリストレストに貼ってある養生テープは気にしないでくださいw
ちなみに、現在使用中の旧デスクがいわゆる PC デスクのようなものではない場合、横幅ばかりを気にしていて奥行きを無視していると「思ったよりいまより奥行きが足りなくてモニターが近くなってしまった!」とかはあり得るので注意。僕は今回を機にすべてモニターアームの使用に移行したのでこの問題はかなり余裕をもって対処できました。というかスタンディングデスクにはアームは必須かなと感じています(立っているときに必要な画面の高さは標準スタンドではたいてい低すぎる)。
組み立てと設置
写真がなんにも残っていないのだけど、フレームと天板とで梱包が 2 つぶん届きました。フレームのほうは死ぬほど重いです。男性であっても一人で持ち上げるのは無理なので、受け取ったあと家の中を滑らせて移動するしかなかった。天板はなんとか持って移動できました。
今回のスタンディングデスク導入のなかで唯一気になったり問題があった部分が組み立て工程なのでそれだけ書きますね。
組み立て説明書は激ムズ
製品のジャンルによらずたまに意味不明な組み立て説明書があると思いますが、今回のそれはかなりダメなほうでした。
具体的には、
- 普通に実物に対して図が間違っている
- 部品の向きが図で明示されていないうえに、図も正しくないので判断が非常に難しい。ミスって進めると逆向きに完成までいってしまう可能性もあり怖い
という感じでした。結果的にはノーミスでいけましたが、かなり神経は使った。

こうやって見ると丁寧な説明書には見えますが(それ自体はそう)、ほしい説明だけ見事に足りないというか、そういう感じだった。
これは X のポストを検索してみたら数年前からけっこうなツイートが見つかったので、しばらく直っていないみたいです。モデル間で共通化しているからなのかなとも思うけど、問い合わせも増えているのだろうし注記のひとつでも加えればいいのに(後述しますが自分も問い合わせした)。
ケーブルラック取付用の穴が天板裏に空いてなかった
ネジ穴が一致してない時点でいくつかツイートが目に入っていたので嫌な予感はしていたのですが、E7H の売りだったケーブルラック(これ重要!)を取り付けるためのネジ穴がどこにもない!!
商品説明的には間違いなく標準装備の機能なので、160cm の天板を選んだからとはいえこれは空いているべきもののはずでした。

ケーブルラック。自動昇降するということはスタンディングデスクで使われるケーブル類は床に対して常に可動域が確保されている必要があるので、「電源タップ 1 本ぶんだけのケーブルを床から伸ばす→すべての電源はケーブルラック内で挿す」というのが基本戦略になります。
というわけでサポートに問い合わせのだけど、ぶっちゃけ何を言っているかはよくわからなかったがたぶん「仕様なので必要なら自分で空けてください」という感じでした (。・ڡ・。)
(身バレしたくないのでスクショ掲載は割愛させてください)
X でも「自分で空けられた」という人がいたので、キリで頑張って下穴をつけたあとネジをグリグリ回して空けることに。結果的には全く問題なくうまくいきました。むしろ、モニターアームのクランプがケーブルラックにあたってセッティングに困る人が多いらしいということを途中で知ったので、ケーブルラックの位置を自由に決められたのはラッキーだったかなとも思えました。
大きい天板を買う人はご注意を!(どの天板ならネジ穴が空いてないのかなどは謎だけど)
運用とか感想とか
ここからは実際の使い心地とか。
まず、普段の使用スタイルとしては「基本は立ちで、たまに座る」です。E7H は高さのプリセット機能があるので(計 4 つ)、ボタンひとつで立ったり座ったりが気楽に可能。僕みたいなタイプは 1 ミリだろうと決めた高さからずれる可能性があると気持ち悪くなってしまいますが、それがないのは非常に助かっている。

こういうフィルムシール、タイミング逃すとずっと剥がせない…。
立っているときは足の裏が痛くなることが多いと思うので、なんらか履くことをおすすめします。少し前にリカバリーサンダルというものを知ったのでこれを買ってみた。
…が、いまは夏なので室内用のクロックスを適当に履いているんだけどこれだけで全く問題なかった。でもこのリカバリーサンダルは夏でもエアコンが効いている室内なら特に問題なく履くことはできます。これは冬に楽しみに取っておく!
デスクに乗せているものは、さっきも書いた通りモニター 2 枚(どちらもアーム)、スタンドの MacBook Pro、キーボード、マウス、マイクとオーディオインターフェースくらいです。

本当はケーブルとか一切見えなくしたりしたいとは僕も思うのですが、机上にラップトップがあるパターンだとどうやっても無理そうな気がしている(クラムシェルモードで天板下ラックとかに追いやると排熱が弱くてダメなのと、せっかく画面使えるなら開いておくかって感じでつい最近こうなりました)。
僕はマウス領域だけにマウスパッドがあるのが嫌いなので超ビッグサイズのものを買って自分の近く一帯すべてに広げています。マウスパッドなしは音が気になってどうしてもだめだった。
今回天板を選ぶとき、お金はかかってもいいから天板全面をこのマウスパッドみたいにできるものがないか?もけっこう期待していたのだけど、現実的によさそうなものは見つけられませんでした。巨大なマウスパッドって意外と売っていないのでどうにかしたかったんですよね。ただ、これは今回天板をブラックにすることによってかなり気にならなくなったのでよしとしています(マウスパッドがあるという境目が目立たくなった)。
ちなみにいま使っているのはこれで、
上記はもうなくなっちゃったみたいなので次買うならこれ↓にしようかなと思っている。
デスクの安定感、品質などは何も気になることはありません。自動昇降時の音も静かだし、所定の高さにセットされる寸前で低速になるのでガクン!となったりもしません。飲み物がこぼれたりモニターが揺れたりすることは一切ないイメージです。
動画撮ってみたけどあんまり伝わりませんね。
家具って高いなと最近思うのですが、その観点からするとまともな机を買うと当然値も張るわけで、それと同じくらいの価格帯でこれだけの製品が手に入ったのであれば大満足ですね。天板のサイズ的にいえばデスクとしてはお得かなとさらに思う(セールで安かったのも大きい)。
プライベート用の作業は常に立っている必要はないと思っているけど、それでもこちらもスタンディングデスクにそのうち変えようとほぼ決めています。座っても普通に使えるなら基本的には上位互換と捉えていて、自分の性格としても同じようなもので統一したい意図もあります。
あとこれは僕の環境だけにおける超個人的なよかったポイントなんですが、椅子の肘置きが邪魔でデスクの下に椅子を入れることができなかったのが改善されました。

こういうこと。
天面の高さは変わらないが、天板の厚さが薄くなったことによってちょうど入るようになったということですね。これは非常に嬉しい誤算で、プライベート用も早くそうしたいなという感じ。
総じてかなり気に入ったので全人類にスタンディングデスクをおすすめしていきます!
おわりに
お金の投資は失敗したかもしれないが健康への投資は 99.9% の人より先へ進んでいると思っている!!