もう納車されてから半年以上前になるんだけど、テスラ Model Y を買いました!
あんまり細かい紹介とかをやるつもりはないが、僕はもう凄まじく衝撃を受けたので主にそういう話をしたい。クルマどうこうという話もとくにしない。
ちなみにサムネは背景もクルマもちゃんと自分で撮った写真です。生活圏内で撮った写真だとどうやっても背景から特定につながってしまうので、いろいろ考えた結果 AI 時代だからこそ真心こめて原始的な画像加工だけで乗り切ろうということにしました :)
すごい。すごすぎる。世界より明らかに数歩先に行ってる
自分は自動車業界で働いていたことがあるのでクルマ関係のものづくりがいかに面倒で大変であるか、身をもって知っているつもりだった。現時点での国産車最新モデルでさえ、あくまでもその延長線上にあると思うし、どこまで言ってもクルマはクルマでしかないと感じる。
テスラはクルマというよりは完全に動くソフトウェアという感じだった。ガジェットっぽいとかはよく言われていることだし、アメリカでもテック業界からは「テスラは自動車メーカーではなくソフトウェア会社だ」とよく言われたりもするけど、本当にそうだなと思った。逆になぜ自動車がここまでシステム化されていなかったのか、その理由が僕にはもう思いつけなかった。というか、それすら考えたことがなかったことに対して「なんて自分の視野は固定観念にとらわれていたんだろう」という気持ち。業界がそうだから、法令があるから、クルマづくりとはそういうものだからという、最もダメそうな考え方にすでに自分がハマっていた。そしてそのことにすら気づけていなかった。いまいる世界の外側の存在に気づくというのはやっぱり難しいね。
そういうわけで、テスラをクルマだと思っている人は乗ったら腰を抜かすと思う。逆に、現在のガソリン車については「工業製品として複雑なアナログ機構をこれだけたくさん組み合わせて何十年も安定して動くものをつくっている」というのがより狂気的に感じるようにもなった。テスラはすごいが、内燃機関車の技術発展に労力を捧げてきたこれまでの人類もまたすごいんだなあ(小並感)という感じである。
実際にすごいと思ったポイントをいくつか書き出してみる:
- 運転中に起こり得るあらゆるケースに対してソフトウェア的な挙動と UX が完全に設計されていて、正直めまいがする(AI が出る前からこれがつくられているのもまたすごい)
- これについて「自動運転を目指しているんだから当たり前じゃん」というのはちょっと違います。完全自動運転は最初から人間の介入を前提としていないので、人間とのインターフェースや体験設計を考える必要がないんですよね。それに対して、人間という不安定な変数を考慮に入れたうえでここまで完璧につくりあげているのがすごい
- クルマとしての性能
- 日本の完成車メーカーが何十年も磨き上げてきた技術の価値はいったいなんだったのだろうか?と思う(別に国産車がすべてダメと言っているわけではまったくない)。加速でテスラに勝るクルマはそのへんには走っていないし、あとめちゃくちゃ静か。エンジン音がないのもそうだが、ロードノイズもないし単純な防音性能も高い
- 航続可能距離もなんの不満もない(充電の話は後述)
- 操作タブレットの操作性と機能
- メーカーオプションナビや市販ナビを大量に見てきた経験があるので、クルマの中にある操作可能なインターフェースに僕が感じている古代遺物感は人一倍強いと思うけど、それにしたってこれは異常。マジでいままでの数十年はなんだったのか
- カメラの動画がヌルヌル。雨の粒まで見える。やばい
- ちなみにこれは走行中いつでも見れて、前/後ろ/左右の映像が遅延なく高リフレッシュレートで映し出されます
- ちなみに、テスラの操作タブレット(のソフトウェア)は Android とかではなく Linux カーネルベースでほぼ下回りからスクラッチでつくったものっぽいことが求人の説明とかを見るとうかがえる
- クルマのキーはない、スマホだけ持っていればよい
- 最高。これにあわせて MagSafe のファインウーブンウォレットを買ったので、外出時は本当にケータイを持つだけでよくなった。ちょうどスマートホーム化が進んで家の鍵も持たなくてよくなっていたところなので完璧です。夢にまで見た状態!
- 一応公式のカードキーはあるが、納車のとき以外一度も使ったことがない
- ソフトウェアアップデートでどんどん機能が増えたり便利になったりする
- 最近だと Grok がネイティブ統合されたし、その他信号が青くなったら教えてくれるやつとか(これは逆にいままでなかったんだ~と思ったけど)、細かいゲームやら YouTube アプリとかが増えたりとかなんかいろいろ
- 気が利く
- 例えば駐車場で前に進んで出ようとすると、フロントカメラの映像が出て向かい側に止まっている車との距離がパッとわかるようになっている(駐車場でかつ退出しようとするときにのみ出してくれる)
- など。なんか他にもいろいろあったが思い出せない!
書き始めるとキリがなくてもっと書きたくなっちゃうから、やっぱり「すごいすごい」とだけ言ってなにも書かなければよかったかなw
ちなみに、一般の人からすると「テスラ」とひとこと聞いて思い浮かぶのは自動運転のことなんじゃないかと思うけど、これについては現在は以下の状況です:
- FSD (Full Self-Driving)
- いわゆる完全に手を離して街なかも運転してくれるやつのこと
- 機能としては完全に実装済みでアメリカなど一部では解禁が進んでいるものの、日本では法整備が追いついておらず使えない状態
- テスラではクルマ本体のほかに FSD だけをオプションのような形で買うことができ、もし日本でも FSD が解禁された場合はそのまま使うことができます。お値段は 87 万円でしたが、今年から買い切りパックはなくなりました
- Enhanced Autopilot
- FSD のパッケージよりひとつ下のグレードのオプションで、43 万円程度
- これは日本でも使える機能がそこそこある
- 標準状態
- 上記の追加パッケージを買わなくとも、オートステアリング(常に前のクルマに追従して速度調整、ステアリング操作を自動でやってくれるもの)は標準装備されている
- 普通のクルマのクルーズコントロールより数段優秀だし、一般道でも使えます
- 長距離運転でほぼ疲れなくなりました(渋滞ハマってもちょびちょび進むのとかも自動でいける)
オートステアリングで初めてハンドルが勝手に動いてクルマがカーブしたのを体験したときは、ひとりで大声上げて感動してました。未来を買った感じがした。
FSD 認可については、僕はそこまで近くはないだろうという予想のもとまだそのパッケージは買っていないです。いっぽうで、中間のパッケージを買うと駐車だけ自動でやってくれたり、あとは駐車場で自分のところにテスラを呼び寄せるサモンという機能が使えたりするので実利性は一応ある。僕はよく商業施設でクルマをなくすタイプだからサモンはちょっと気になっていたんだけど、テスラのアプリで細かい位置がもともと見れるからこれはすでに解決していたというオチ。
完全自動運転(FSD という意味ではなく、自動運転レベル 4 以上に相当するもの)の実現はもちろん期待しているんだけど、それだけじゃなくて飲み会の帰りにクルマを乗れるようになりたい。僕があと望むのはこれだけだ…。生きてる間にこれが実現されたら感動だな(技術進歩以外のお役所問題で数十年くらいは平気でかかりそう)。
アプデで Grok が乗ってかなり総合アシスタントになった
上でも書いたように、少し前のアプデで Grok が統合された。イーロンは買収した企業のプロダクト同士を本当にすぐミックスするのが素晴らしいよね。

出典:https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2607/12/news040.html
これまた昔にクルマで使える音声アシスタントみたいなものをつくっていたことがあるんだけど、その当時は TTS すらまだ機械音声の域を出ないレベルで、当然自然言語の命令や質問をパースするのもほぼ無理だったし、なにからなにまでうまくいかなかった。アイデアだけはいいと思ってたけど完全に技術レベルが足りていないのを感じていた。
その経験があったのでテスラに Grok が乗って、しかもクルマのコントロール(地図やルート操作、設定の変更や UI 操作など)まで統合されているのを体験したときはもう笑ってしまった。イーロンはひとりでいったい人類史を何十年進めているんだ!
まだ記事執筆時点ではベータ版で、Grok 自体は非常に賢いレベルだしウェブ検索や X 検索などもできるものの、自分でカスタム指示を加えた Grok を連携するのはできていない。これが来たらもう運転中にたいていの作業ができるようになる気がしていて、楽しみでしょうがない!
充電とかの話
充電に関しては関連する話題が多すぎるのでここで全部の紹介はやらないんですけど、概ねトピックとしては以下のような感じです:
- 家を買ったので自宅で充電可能
- 国産 EV 用の 200V コンセントもあるし、テスラ用のウォールコネクターも買って取り付けた
- 太陽光発電があるのでクルマを動かすエネルギーに基本的にもうお金は払っていない
- もちろん家はオール電化
- テスラの蓄電池である Powerwall 2 も買って設置した
- テスラのアプリから関連製品や発電、充電の完全な制御ができるようになっていて、例えば「太陽光発電時は Powerwall の充電を優先、余力があればクルマにも給電、自宅の使用も含めてさらに余りがあれば電力会社に売電」などができる。未来!
- Supercharger
- 街なかにあるテスラ専用の急速充電器。家で充電できるのでまだ 10 回も使ったことないくらいだけど、速すぎてビビる。民生品でこんな電力供給できるものを日本の街なかにポンポンつくれるの、マジでどうなってるの???
- 自宅充電に比べたらかなり割高だけど、それでもガソリンを買うより遥かに安い
- あとアンチテスラの人がよく Supercharger の充電の遅さを引き合いに出しているのを見かけるけど、僕の感覚としては「クルマ止めてちょっとコンビニにコーヒーを買いに行って一息つく」ともう終わりに近いくらいの感じ。別に言い争うつもりはないが、まあとにかく一度体験してみれば全体含めて考えは変わると思う
あとは充電というか航続距離の話ですかね。これはアプデでかなり詳しい電力統計画面みたいのが見られるようになったので、そのスクショをいくつか掲載してみる。

左上の 496km という表示は現在のバッテリー残量(89%)に対する数字だと思うので、僕の平均的な使い方だとだいたい 557km が航続可能距離ということになるが、でもそれだと公称値超えちゃうんだがw(やっぱり 496km のほうなのか?(気にしたことがない))
↓の図でわかるんだけど、エアコンとかはほぼ消費に影響を与えていなくてそれもすごい(僕はややクルマのエアコンは控えめなタイプかもだけど)。

ところでこの写真を用意するときに思ったが、テスラのタブレット画面ではスクショを用意する方法が用意されていないんだな。隠しコマンドとかもパッと調べた感じはなさそうだった。
その他なんか自動化の話とか
テスラの iOS アプリ単体があるだけで iOS のオートメーションから多くの操作が可能なので、それだけですでにいろいろできるんだけど、もちろんもっと遊びがいがある要素がたくさんある。
まず、テスラはクルマの情報取得や操作に関する REST API の公開をしている。「クルマの API」とかいうパワーワードの時点でもう面白いんだけど、さらに Tessie というサードパーティの別サービスを組み合わせるとよりできることが広がる。
(Tessie に興味ある方、このリンクから登録いただくと無料体験が 1 ヶ月できるようになるのでよかったらお試しください!)


そしていま久しぶりに画面をいろいろ見回してみたが、リアルタイムデータストリーミングや、それらを Claude などと連携できる機能が増えてる。ヤバい、、、

とはいえ、実は僕はほとんどなにもつくっていない。かなりいろいろ考えてみたんだけど、標準状態で便利すぎるのであえて自分でなにかシステム化しようというものを思いつけなかった。というか、なんかそういうのを足すのは野暮にすら感じる…ような気もする。
でも Tessie はいろんなデータを溜めていけるので高くはないし契約は続けるつもり。どちらかというと自宅の電力管理のほうでもっと面白い使い方ができないかな~というのを今後は考えたい(クルマほど API はリッチに揃ってない)。
おわりに
最後に、購入を考えている人向けの超マイナー情報。
テスラジャパンはいま乗っているクルマを下取りで引き取ってくれるサービスをやっているんだけど、この下取り入力フォームがかなり地獄であるということをぜひ先に伝えておきたい。
まず最後に Submit ボタンが見えるところまで適当に埋めていって必要な記入内容や写真を全部確認しておくことを極めて強く推奨します。下書き保存ができないうえに、一度提出してしまうとあとから修正もできないため、「フォームを進んで何が必要か見てから写真を撮って…」とかやっていると、ブラウザがリロードされた日にゃすべておわりです。必要な写真を把握したあと撮影だけ別でやることをおすすめします。

こんな感じのクソ長いフォームが何ページにも渡ってつづく。
こういうの、終わった人は「つらかったな~」で終わるだけで改善要望とか絶対に出ない類なので、たぶん言う人が現れないと直らないと思う。もしこの記事を読んでこのフォームに遭遇した方がいたら、状況が変わっていたかどうか教えていただけると嬉しい!
とはいえ、下取りに出したいクルマの車検証の名義(「所有者」)が自分じゃなくてディーラーとかになっててもなにもしなくてもよかったのは非常にラクで助かった。書類の手配とかはまあ苦労したけど、自分で全部やるよりははるかにマシだったと思う。
以上!テスラ素晴らしいよ!

