【ビジュアライゼーションの方法】鮮明な想像で夢を創り出そう

【ビジュアライゼーションの方法】鮮明な想像で夢を創り出そう
みるみ

ビジュアライゼーションとはそのまま「想像する」という意味で、明晰夢を見る様々なテクニックにおいて非常に重要な役割を果たす部分です。

言うまでもなく体外離脱(幽体離脱)でも活きてくるテクニックです。

体外離脱については上記のまとめ記事もどうぞ。

「瞑想」の一環として脳の意識コントロールのためにビジュアライズをしたり、自分の創り出したイメージをそのまま夢にして入夢したり(こんな言葉はないと思う笑)と、できることは無限大です。

そういう意味でもあまり決まった手順に囚われずに、自分に合ったビジュアライゼーション法を確立し、ひいてはそれを目的に合わせて随時使い分けられるようになったりすると、あなたの明晰夢ライフは数段良いものになっていくでしょう。

この記事では、実際に練習してみながら一緒に進めるスタイルを基本にしつつ他の項目への足がかり等を絡めながら説明をしていきます。

Practice1:思考の目

さて、いきなり練習をしてみます。

あなたの職場(学校)での自席からの風景にはなにが見えますか?

この文章を読んだだけで、「想像しよう」と思ってもいないのにいつも見ている風景が「なんとなく」浮かんだはずです。

しかし細かいディティールを隅々まではっきりと描けてはいないでしょう。普段置いてある大きいものなどは幾分はっきりしていても、ペンやノートなど日々場所が変わるようなものまではなかなか鮮明に想像できていないはずです。

場合によっては写真のようにはっきり思い出せることもあるかもしれませんが、ここで大事なのは、目を瞑ったり他のところへ視線をやったりせずに(なにかを思い出すときは左側へ視線が動いているはず)そのまま脳内にイメージを再生できるという点です。

これは、詳細なビジュアライゼーションを必要としない「思考の目」です。

Practice2:詳細なビジュアライゼーション

お次は、実際に空想のものをがんばって詳しく具体的に想像/創造してみるフェーズです。

川を想像してみてください

これだけを見ると、先ほどと同じようになんとなく「川っぽいもの」がとりあえず頭に浮かんだことでしょう。僕も右から左へ流れている川がなんとなく思い起こされます。

ただしこれは先程のPractice1とは違って実際の記憶を頼りにしていない点に留意します。職場の中にいきなり川を流す想像は難しいものがありますが、この架空の川でなら好きなだけ新しい世界を作っていけるのです。

というわけでこれからは「思考の目」は使わずに自分でビジュアライズしていくので、まずは目を瞑り、できれば暗くて静かな場所へ移動しましょう。

 

木々が青々と茂る中で、右から左へとゆっくり流れていく川があります。
水が透き通ったとてもきれいな川で、底がはっきり見えるくらい澄んでいます。
もう少し顔を近づけてみると魚たちもたくさん泳いていて、沈んでいる岩や小石の影にも隠れているのが見つけられました。

 

どうでしょう。最初のなんとなくな川より随分ときれいな川が具体的にビジュアライズできたことと思います。

この空想上のビジュアライズが、いわゆる「ビジュアライゼーション」で大切なスキルに最も適した訓練です。

今は「視覚」に関する情報しか想像されないような文章にしましたが、実際には五感をフル活用させることで自分が想像した世界に入り込んでいるような=夢の中に入っていくようなビジュアライゼーションをすることをゴールとしています(後述)。

ビジュアライゼーションには4段階ある

ここで一旦ビジュアライゼーションの段階分けについて整理してみましょう。

ここまでに練習を2回やっていますが、これはそのまま最初の2段階と捉えていいと思っています。

Level1:思考の目

上で説明した通り、これはまだなにかを「思い出す」作業に過ぎません。イメージはぼんやりしていて、「見える」というレベルには程遠い感じです。

cat-visualization1

さっき職場や学校の風景を思い出そうとしたときも同じですし、誰か人の顔を思い出そうとするときなどはとても分かりやすい例の1つです。

「営業の佐藤さん」と聞いて頭の中に確かにイメージは湧いてくるのだけど、具体的に顔の部品などディティールを思い起こそうとするとどんどん顔自体がなくなっていってしまうでしょう。まさにあれです。

これは「記憶の刺激データをもう一度再生しているだけ」なので、いちいち目を瞑ったりなどの作業がなくてもパッと無意識的に行えるのです。環境やタイミングに依存しません。

実はこれ、五感全てに対応しています。

納豆を触ってみてください

ほら、ネバネバした!

匂いもしてきたし、味も想像できますね。でも、具体的に全く同じ感覚を得ようとしても人の顔の例と同じく、どんどん消えていってしまい訳が分からなくなっていきます。おもしろいですね。

Level2:詳細なビジュアライゼーション

ここも先程のPractice2の「詳細なビジュアライゼーション」でやったステップそのままです。

なんとなく想像したぼんやりイメージを、意識的に細部まで描き始める工程になります。

cat-visualization2

さっきから言っているように、実際の記憶にあるものでこの詳細なビジュアライゼーションをやろうとするとかなり難易度が高いので、川の例に習って空想上の世界を創り込むようにしていきましょう。毎回違うものを描くとさらにいい訓練となります。

Level3:ヒプナゴギア

ヒプナゴギアとは覚醒している状態から夢を見る状態への移行段階のことで、理論上では「覚醒しながら夢を見ている」という奇妙な状態のことをいいます。様々な映像や音楽、幻覚などが伴って現れるとされていて、瞑想中にやってくる「なにか」に近いものでもあります。夢の寸前まで来ています。

Hypnagogia, also referred to as hypnagogic hallucinations, is the experience of the transitional state from wakefulness to sleep: the hypnagogic state of consciousness, during the onset of sleep (for the transitional state from sleep to wakefulness see hypnopompic). Mental phenomena that may occur during this threshold consciousness phase include lucid thought, lucid dreaming, hallucinations, and sleep paralysis. However, sleep paralysis and lucid dreaming are separate sleep conditions that are sometimes experienced during the hypnagogic state.

Hypnagogia / Wikipedia

ここからはいよいよ、想像から眠りの状態へと移行し始めるイメージです。

ビジュアライゼーションを続けることで身体がリラックスしてくると、脳は眠りへ誘導しようとしてきます。眠りに落ちるぎりぎりのラインを保ち続けると、このヒプナゴギアと呼ばれるような不思議な感覚にまみえることもよく起こるようになるでしょう。

おそらくはほとんどの人は体験したことがあるはずです。初めて知った人はたった今知識として習得できたゆえに、次回発生したときには自覚が可能です。

もしこの状態になれたことに気付けたのなら、さらにリアルなビジュアライゼーションができるようになっているはずです。

集中してこの顔を思い浮かべようとすると、言葉では表現が難しいですが蛍光色のようなビジュアルで映像が浮かんでくるはずです。ここでより詳細なディティールに意識を向けようとすると、今まではぼんやりとしていた輪郭なども急にはっきりしだし、柄や毛並みまで認識できるようになることでしょう。

cat-visualization3

放っておくとそのイメージが勝手に動きだしたり、全く別のものに変化してしまうこともあります。ヒプナゴギアの状態では想像するイメージが非常に流動的であるということが特徴ですので、これは仕方ありません。

しかしここでせっかく創り上げたイメージを失ってしまってはもったいないので、ぜひがんばって取り戻しましょう。

Level4:明晰夢

もうビジュアライゼーションの範囲を超えていると言えるかもしれませんが、実際のところ境目の定義も曖昧ですし、一応最終段階としてここも入れておきます。

「明晰夢を見るためのテクニックの中にビジュアライゼーションがあるのに、その説明で明晰夢が出てくるなんて」と多くの方が思われていることと思いますが、ここでいう明晰夢は一般のものと少し性質が違っています。

通常の明晰夢は明確に眠りに入ってから発生するものに対して、このビジュアライゼーション法から遷移する明晰夢では、意識を持ちながら自分がイメージした夢の世界へ片足だけ突っ込んでいるような状態です。

例えばWILDテクニックの中でこのビジュアライゼーションに臨んでいる場合、そもそも瞑想状態がヒプナゴギアと近い状態ですので、そのままシームレスに明晰夢へと移行できたりするでしょう。

そういう意味であくまでも「想像の延長線上」にいるという感覚を持っていると、意識せずとも明晰夢へ入り込める可能性が高くなりそうですね。

turkey-cat-lucid-dreaming

意識があり、起きていながら寝ているようなこの状態にふっと入った瞬間、一気に周りの景色がフルカラーで超リアルな世界に変化し、対象だけが見えていた単なる風景から360度の世界観へと切り替わります。

明晰夢に入った瞬間です!

こうなると、さっきまで感じていた自身の体の感覚や居た場所の記憶が消え、自分の意識が完全に想像していた世界の中へ入っていることになります。

最初はこの状態での維持がとても難しくてすぐに引き戻されてしまったり目が完全に醒めてしまったりしやすいですが、数回繰り返すとすぐに慣れます。僕も2,3回でコントロールできるようになりました。

もうあなたは「夢を見ている」ということを自分自身で知っていますから、当然そこでは「これは夢だ」と分かりながら夢の中にいることになっているわけで、それはつまり紛うことなきまさに「明晰夢」といえるでしょう。

応用編:視覚以外の感覚を用いたビジュアライゼーション

今までは視覚の情報のみを頼りにビジュアライゼーションを行ってきていましたが、これにその他の4つの感覚を取り入れると、よりリアルな想像が可能になります。

そもそも「ビジュアル」という言葉を考えると「視覚」に限った話なので他の感覚も利用するというのは少々おかしな話なのかもしれませんが、「夢を創造する」という考え方からすると決して間違ってはいません。

大事なことは自分の意識を持ったまま鮮明な世界へ踏み込んでいくことなので、あまり「想像」という言葉のニュアンスにこだわりすぎるのは良くないのかもしれませんね。

というわけでここからは視覚以外の「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」を頼りにしていきますが、その難易度は思っているよりも高いです。

夢の研究者として知られるインゲ・シュタルフ博士(Inge Strauch)ら3名による研究「睡眠の心理学 (1966年)」に拠ると、私たちほぼ全員の夢は視覚に支配され、40〜60%が聴覚を、動きと触覚は15〜30%、嗅覚を感じたのはわずか1%以下という結果が明らかになった 

Psychobiology of Altered States of Consciousness.

感覚をイメージするだけならまだしも、それをそのまま夢に持ち込むのは難しいというわけです。

これは訓練あるのみ。冒頭でイメージした川にもう一度手伝ってもらいましょう。

Practice3:視覚イメージから残りの4つの感覚を付け加える

最初にイメージした鮮明な映像レベルの川をもう一度描いてみてください。そのときは単に自分が ”見ている” だけで、自分自身が存在しているイメージは持っていなかったはずですが、今度はその世界に自分というキャラクターを設置してみましょう。そして実際に動き、想像するのです。

 

その川では豊かな水の流れから美しいせせらぎが聞こえ、心地よい鳥のさえずりとともに木々の隙間から柔らかな木漏れ日も感じられます。
近くの紫色の花にそっと鼻を近づけると芳しい甘い香りもしてきました。
もっと踏み込んで、川の水に手を入れてみましょう。
ひんやりとした心地よい冷たさを感じ、手に当たる水の流れもよく伝わってきます。

 

と、こんな感じです。

みなさんがこれを試している今はおそらくそこまでリラックスした環境ではないと思うので、実際にその世界にいるようなレベルまでリアル感を感じられていないかもしれませんが、ちゃんとしたセッティングで試してみれば驚くほどリアルな世界を創り上げられることが分かるはずです。

最初はこれをちょっとまどろみかけているときにやってみよう、くらいのスタンスがハードル的にもちょうどいいでしょう。楽しくなってきたら徐々に色々試してみると三日坊主になりにくいです。

おわりに

さてさて、ここまで読んでいただけた方は随分とビジュアライゼーションについての理解が深まったのではないでしょうか。

「結局ビジュアライゼーションってなんなのよ!」っていう質問に対しては一言で答えられる簡潔な回答は僕も持っていませんが、それでいいと思っています。

夢だとか睡眠だとかっていう曖昧でぼんやりしたものについて明確な線引などはナンセンスというものです。むしろ、こういった色々な情報を種々取り入れていくことで自分オリジナルの理解が個々で出来上がっていくことの方が何倍にも意味があると僕は考えています。

さあ、ビジュアライゼーションをマスターしたあなたはどんな夢を描くのでしょうか?

みるみ
みるみ

ブロガー、ソフトウェアエンジニア。

趣味で夢や睡眠の研究をしている人。体外離脱が得意です。

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