レム睡眠がカギ:明晰夢や体外離脱との関係を知るとコツが分かってくる

レム睡眠がカギ:明晰夢や体外離脱との関係を知るとコツが分かってくる
みるみ

睡眠時に起こる現象として知られている「明晰夢」や「体外離脱」、もしくは「金縛り」といった諸々について話すとき、通常の夢を見ているときとは異なるその覚醒度の高さに紐付けられてよく「レム睡眠」というワードも一緒に登場します。

一般的な学術論とかを今さら僕が記事にしても仕方ないので、「明晰夢を見られるようになりたい!」とか「体外離脱ができるようになりたい!」とかっていう需要に絡めながらこの辺の話をまとめてみたい。

体外離脱自体の方法や概要のまとめは以下の記事で書いています。この記事はレム睡眠との関わりはほとんど掘り下げていないので、今回別記事にしてみました。

レム睡眠とは

レム睡眠とは睡眠中の状態のひとつで、「筋肉は休まって弛緩しているけど脳は覚醒している」っていう状況のことである。

よく勘違いされている?というか知られていない?ようだけど、レム睡眠中の脳の覚醒度は実は平常活動中よりも高いということになっている。

だから筋肉への経路を遮断して強制的に動けないようにしておかないといけないという理屈です。この辺の話は睡眠まわりの色んな病気と関連があるらしい。

ただし眼の動きだけは抑制されていなくて、これが「急速眼球運動」=Rapid Eye Movement=REM睡眠と呼ばれているゆえんになる。対象者が夢を見ているか確認するような実験では、この急速眼球運動の開始を合図に特定の信号が確認されると「夢を見始めた」という扱いにすることが多い。

この強い活動意欲のあらわれとして「夢」を見る、らしい。

あくまでも寝ている状態で ”夢中” ではあるが(この日本語正しいのかな?笑)、脳は起きていて身体は寝ているっていうこの特異な状態を足がかりに、明晰夢へ移行したり、もしくは体外離脱をしたりする。

関連:ノンレム睡眠

レム睡眠とは反対の「ノンレム睡眠」は、眼球も急速に動かないってことで脳もちゃんと休んでいる睡眠状態としてよく知られている。

こっちはノンレム睡眠の中でN1~N4という4段階のステージで区分けがされていて、最も睡眠が深いN4は実はほんの短い時間しかない。半分以上がN1とN2。

Screenshot_20181108-194916_Fitbit

この画像は、僕が睡眠もチェックできる活動量計で測定している普段の睡眠ステージの様子(使っている活動量計はFitbit AltaHRってやつ)。

おそらく一番下の一瞬しかプロットされてない部分がN4のステージのことを言っているのだと思われる。同じ表現で言及がないけど、段階数的にはたぶん「浅い睡眠=N1、N2」「深い睡眠=N3、N4」だろうし、調べた内容と齟齬はないので本当にこうなっているんだと思う。

ちなみに1週間で各ステージごとに集計を積み重ねるとこんな感じになる。めっちゃ便利。

Screenshot_20181108-194601_Fitbit

この「よく寝ている」状態のときに起こすといわゆる「寝ぼけ」ていることになって、頭がすぐ動き始めないのでしばらく活動を再開できない。ポンコツPC。

夢を見ているのはレム睡眠のときだけ?

rem-sleep-graph

レム睡眠中には脳が記憶の整理をしているとされていて、そのときに映像となって再生されるのが「夢」。

つまり、夢を見るメカニズムというのはなんとなく理解されてきているんだけど、それがなぜ必要なのか?という理由まではよく分かっていないみたい。

前述の通り、夢を見ているということを外部から知るためには急速眼球運動をキャッチしたりする方法が一般的なので、果たしてノンレム睡眠中でも夢を見ているのかどうかということを確かめる術がなかなかないらしい。

夢とREM, NREM睡眠 : 夢はいつ起こっているのか / 鈴木博之 / Journal of the Society of Biomechanisms 29(4), 199-204, 2005-11-01

夢が睡眠中のいつ起こっているかという疑問に対し,REM睡眠中に起こるという解答が既に得られていると一般的には考えられている.しかし,NREM睡眠時の夢の存在を主張する研究者も多く,夢発生のメカニズムに関しては未だ議論が続いている.従来の夢研究には,報告された夢が目覚める以前のいつ起こった体験か確認することが出来ないという方法論的問題点があった.そのため,夢とREM・NREM睡眠の明確な対応関係は検討されてこなかった.

この論文でもそんなようなことが言われているのがわかる。

「そもそも脳が覚醒していなくて夢を見た記憶がない」だけなのか、「脳が休んでいるってことは記憶の整理もしてない=夢も見ていない」なのか、この辺はまだまだ議論の余地があるみたいです。

というわけで、夢を見られるのはノンレム睡眠でも可能性があるけど、そもそも脳が休んでいることは間違いなさそうなので覚醒度が必要な明晰夢や体外離脱とは縁がなさそうということがわかった。

レム睡眠が起きるタイミング

じゃあレム睡眠にはなるのはいつなの?っていうのが気になってくる。

ちょうど僕の生データがあるので、これをもう一回見てみよう。

Screenshot_20181108-1949156_Fitbit

バッチリ書いてあるとおり、ここがレム睡眠である。だいたい90分周期で表れるというのも今は有名になったよね。だから「睡眠時間が1時間半の倍数になるように目覚ましをかけましょう」みたいな。僕のグラフでも後半の3回はきっかり90分ごとにレム睡眠になっているのが分かる

ネットをちょっと見てみても、

Wikipediaより

入眠時では、通常45~60分以内にノンレム睡眠N1~N3まで達し、やがて約1時間から2時間ほどで徐々に浅くなってレム睡眠になる。以後はノンレム睡眠とレム睡眠が交互に現れ、90-110分のセットで繰り返される。一晩の平均的な 6~8 時間の睡眠では 4~5 回のレム睡眠が現れる。

とあるので間違いなさそう。でもこの感じだと平均は90分よりちょっと長そうだし、そもそも最初のレム睡眠になるまでのオフセットしてる分があるから1時間半の倍数にしても意味ないのでは?w(いまさら

普通に睡眠を摂っていたら周期的に表れるわけだけど、毎度起こるこれを利用して体外離脱をしよう、とかっていうのはちょっと無理がある(いや、実は一番簡単な体脱方法はこれを利用するんだけどね…)ので、実際は寝入りっぱなか目覚める前をうまく狙うことになる。

入眠時のパターン

寝始めを狙うパターン。

さっきのグラフにおいての最初のレム睡眠部分のことを言うのかと思いきや、あんまりそういう意味ではなくて、要は眠りに落ちるまでに絶対通る「レム睡眠にあたる領域」をいきなり作ろうっていう考え方に近い。

リラックスした状態で少しずつ眠りに就こうとすることを繰り返すと、自分が眠りに落ちるラインを段々わかるようになってくる

寝落ちするときの「あ!今寝てたな!」っていうのよりもっと敏感で、眠りの海に浮いたり沈んだりを繰り返せるようになってくる感じ。

そうすると、「脳は寝始めているがまだ筋肉は弛緩していない状態」っていうのを意図的に作り出せるようになる。

実際にどうやってで覚醒度を下げていくかっていう方法自体は、今回の記事では少し趣旨がずれるので割愛します。詳しくは、同じく最初に紹介した記事のこの辺がいいかも。

出眠時のパターン

こちらは反対に、意味の通りのまま、あのグラフのレム睡眠のところで目を覚ますようにしろっていう感じです。

非常に金縛りに遭いやすいパターンなので、これによって覚醒度がそのままさらに上がってしまって→目覚めというケースがよくある。

意図的にこの時間に目覚ましをかけたりすることによって、既に筋肉が休まっている状態からスタートすることで簡単に明晰夢を見たり体外離脱へ突入したりできます。

誰しも普通に寝ることは絶対できるわけで、その時点で既に身体は寝ている状態を作れているっていうアドバンテージはめちゃめちゃ大きいです。よってなにをするにもこちらのほうがたぶん全体的に難易度は低い。

覚醒度のコントロールはレム睡眠時を狙う

つまりここまでをまとめると、

  • 入眠時では覚醒度を下げていくことによってレム睡眠領域を狙う
  • 出眠時では覚醒度を上げていくことによってレム睡眠領域を狙う

というようなことが言えるかもね、っていうお話でした。

大事なのは、あくまでも注意する対象、コントロールすべき対象は「脳の覚醒度」であって、レム睡眠はそれによって付いて回る結果に過ぎないという点です。

特に眠りの境界線という風に話をした「水面での浮き沈み」ができるようになると、夢にまつわるたくさんの遊び体験がぐっと向上するでしょう。

みるみ
みるみ

ブロガー、ソフトウェアエンジニア。

趣味で夢や睡眠の研究をしている人。体外離脱が得意です。

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